朝日からの電話は嫌い?
(2011年9月5日)

カテゴリ:マーケティング

コメント(2)
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新聞によって、内閣支持率の数字が違うことについて先に書いた。つまり、朝日と毎日だけで指示でも不支持でもない、「それ以外」が多くてその結果支持率の数値が下がらざるを得ないということだ。
いろいろ各社の調査を比べたが基本的にはRDDという、ランダムに電話をかけて回答してもらうという方法である。
ところが、気になったことが1つ。回答率がかなり違うのである。最終サンプルはどこも1000前後なんだけれど、それだけの数を集めるためにかける電話の数がかなり違うのだ。
最高の共同は70%だけれども、朝日は59%。同じような人数に回答してもらうのに、かけた電話の数は300件以上朝日が多いのだ。これはどうしてなのか原因は推定でしかないけれど。
・調査員の電話の技術が異なる
・「朝日です」と名乗ると断られることが多い
・電話をかけた対象者適性の判断が厳しい

そんなところだろうか。
結果としてサンプリングが正しいかどうか、は敢えて言及しない。もしかしたら強引な電話セールスをする「アサヒ」関係のきぎょうがあるかもしれないし。
ただし、電話調査といってもその方法は見えないところでかなり異なっているのでは?という推測は成り立つ。
「その他」が妙に高かったり、回答率が異様に低かったりと、今回の朝日の世論調査は疑問が多い。どなたか、思い当たる理由があれば教えてほしいと思う。



朝日からの電話は嫌い?」への2件のフィードバック

  1. tugajin より:

    山本先生こんにちは。

    少し前のものですが、日経リサーチウェブサイトに世論調査のスコア差についての分析論文が出ています。
    http://www.nikkei-r.co.jp/news/topics/lecture/pdf/ASR2009_no3.pdf
    質問文、質問方法(迷った人への対応方法)などによる違いが大きいのでは、となっています。回収率のばらつきについても、母数の曖昧さが原因になっているのではなかという指摘をしています。

    ただいずれにせよ、運営の仕方次第で数字が変わるのが世論調査の実態のようです。今の世の中どんな方法で社会調査をやってもバイアスは避けられないから、それ自体はやむを得ないと思うけど、これをイコール「民意」とみなして、数字を振りかざすマスメディアがあるとすればイヤですね。そちらの方がよほど害悪だと思います。

  2. 山本直人 より:

    コメントありがとうございました。いろいろな裏話はあると思いつつ今回は表に出ている数字だけで仮説を立てるという手法で考えてみました。朝毎読の回答率が低いのは「新聞勧誘」と間違えられやすいからだったりして(笑
    いずれにせよ、調査数字が権力化するのは変だと思いますよ。