ステマは「マーケティング」じゃないでしょ。
(2012年1月23日)

カテゴリ:マーケティング

年明け早々、「マーケティング」が話題になってしまった。「ステマ」のおかげだ。通販サイトの騒動はネットの中の話だったが、例の「食べログ」のおかげで、妙な市民権を得た。違う、市民権というよりこれは「違法滞在」みたいなものなんじゃないか。そういう手法が「マーケティング」の中の一つというのは変だろう。
「ヤラセ」のような行為は本来「マーケティング」じゃない。そうしたことがステルス”マーケティング”という名になった時点で、マーケティング関係者にとってはえらく迷惑なのだ。
そもそも、マーケティングという言葉自体、世間ではちゃんと理解されていない。今だって「≒広告・プロモーション」だと思っている人はたくさんいる。それでもって、「ステマ」だ。マーケティングは、まあ「売りの仕掛け」であり、さらに「何でもあり」というように思われるのだろうな。
「振り込み詐欺」が「ステルス・トレーディング」だと言い張ったり、「ストーカー」が「ステルス恋愛」ち言い訳したら変じゃないか。それでも「ステマ」という、略称とともに「マーケティング」への誤解が起きるのだろうし、それ自体をどうにかしなくちゃいけないんだと思う。
そういう言葉のこときちんとしないと、痴漢した犯人が「ステルス愛撫」とか言い出しかねないんだから。
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