3点揃うと企画が落ち着く理由。
(2012年2月8日)

カテゴリ:マーケティング

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コンサルタントやクリエイターなど、企画提案を生業とする人にとって大切な数字は”3”のはずだ。一つのページには「3つの理由」や「3つのポイント」だし、企画案はABCの3点で臨むことが多い。
おさまりがいいのだ。そして、その理由とコツを考えてみたい。これってエントリーシートなどにも使えると思うんだよね。このESもそうなっているし。
まず、「1点勝負」が危ないことはわかると思う。では2案だとどうなるか。
これは、いわゆる「二項対立」という状態になりやすい。モノが2つあると1つの軸が生まれる。そうなると、AとBは、対立して見える。提案を受ける側からすると、AとBの「どっち?」と迫られるわけで、決定する時の心理負担が重くなることもあるだろう。
それで、C案が登場する。この3つ目の案が出てくると対立軸は見えなくなってくる。点が3つで平面が決まり、安定する感じだ。
じゃあ、4つになるとどうか。不思議なもので、偶数になると人は2つに分けたくなるようで、再度軸が生まれたりするのである。そして、5点以上になるとグチャグチャになる。
まあ、そういう経験値から”3”という数字は大変ありがたい。
もう少し細かく言うと、「AとBで対立軸をつくり、Cでその軸をバラす」というまとめ方がいいと思う。


広告のプレゼンテーションをしていた頃は、例えばこんな感じ。「まずオーソドックスなタレント案」と「思い切り商品にフォーカスした案」を出して、3つ目に他のブランドのコラボや、メディアとのタイアップなどの変化球を出す。(これは大昔の話なので今は知らないけど)
エントリーシートだと、自分のことをまず「2つの対照的なエピソードにする」というのもありだろう。「見知らぬ人とでも親しくなれる(関係構築力)」と、「一つのことをコツコツ成し遂げる(継続力)」みたいなことを書く。そして、3つ目で「意外性のあるエピソード」にするというパターンだ。
「あなたは友達に囲まれている時に幸せを感じますが、その一方で一人きりの時間も大切にしたいと考えます。また家族などの身近な人との絆を何よりも大切にします。」
こう書けば、あらゆる性格占いの模範解答だ。言われれば当たっているが、そりゃそうだ。人は3点でまとまっていると安心して納得する。
その一方で、政治における「3点セット」は常に怪しげである。関わる人々の器量の問題か。(←いきなり唐突な新聞コラム風のオチ)