生活定点と自分定点。
(2012年10月11日)

カテゴリ:マーケティング
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先日、博報堂の生活定点が20年分の基礎データを一気に無償公開したので、こんなエントリーを書いたら結構反響があったらしい。「生活定点」で検索すると、結構上の方に出てきていた。
で、今日は旬のテーマで一つ書いておこう。このグラフは「ハロウィンを祝った人」の割合である。全体的にジンワリ増えているけれど、性・年代別にかなり差がある。多いのは女性で、男性はどこの年代も多くはない。
ここまでは、まあ予想がつくのだけれど08年あたりから顕著なのが40代女性の伸びだ。
で、この生活定点を見ていく上での注意なんだけど、調査対象の「**代」は調査ごとに母サンプルの20%が入れ替わっているということだ。
この調査は2年に一度行われている。したがって10年経つと、母サンプルはすべて入れ替わることになる。
ということは、2008年頃から「40代がハロウィンを祝うようになってきた」という見方もできるが、「ハロウィンを祝うような人が40代になってきた」という観察もできるのだ。厳密には特定の世代の塊(コホート/cohort)を追求することが必要だが、仮説を立てるにはこのデータでも十分だろう。
そして、このデータはとにかく質問が多い。そこで「クリスマスを祝った」という人の割合を見ると、同様の傾向が見られる。60年代後半以降に生まれた女性は、「イベント好き」で、ということなんだと思う。


さて、僕はこの傾向を何となく感じていた。というのも近所でここ数年ハロウィンの飾り付けが多くなっていたからだ。それも、そこそこ年配の方の家で、クリスマスにそれなりにきれいなデコレーションをするお宅なのである。家の前の木にも、この写真のように例のカボチャがぶら下がっている。
ハロウィンを祝う女性だが、20代は友人と、30代は小さな子どと過ごす率が高いだろう。では40代はどうしているか、というと自宅を飾る季節のイベントとして捉えているように思うのだ。(晩婚化で小さな子供がいる可能性もあるが)そう考えれば、新たなビジネス機会もありそうだ。
生活定点を見る時には、こうした「自分定点」とセットにすると説得力と実感が増すと思う。情報といえばネット、という発想が当たり前だと思うけれど、ネットの情報は誰でも見ている情報だ。
自分の観察から得られた発想でまずストーリーをつくる。そして、複数のデータで仮説をサポートしていく。生活定点が公開されたのを機会に、自分定点も始めてみてはどうだろか。198-hlw.png