スギちゃんのケガと週刊朝日を結ぶメディアの事情。
(2012年10月23日)

カテゴリ:世の中いろいろ
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コメント(1)

で、今日はいわゆる伝統的なマスメディアの課題について少し突っ込んでお話ししましょう。このクラスは人数も少ないので、背景などまでいろいろ考えようと思います。
で、ちょうど話題になっている週刊朝日と橋下市長とのバトルの件ですが、まあ想像以上にアッサリと朝日が白旗上げましたね。まあ、バトルとすらいえない。権力者に対して常に監視するというのはメディアの大切な役割ですが、今回の件は本質を外したということでしょう。
でさ、全然話違うんだけど、最近芸人のケガが相次いでない?スギちゃんが高飛び込みで骨折したけど、それ以外にいろいろ聞くでしょ?何でだと思う?
実は、さっきの週刊朝日の問題と芸人のケガ。これって、全く違う話のようで、実は底流では構造的に関連している。じゃあ、何か?ぶっちゃけて言うと、カネの問題だと考えられる。
もう少し丁寧にいえば「マスメディア経営の行き詰り」を象徴していると言ってもいいでしょう。

芸人のケガもいろいろ理由はあるかもしれないが、共通項は単純。企画力の低い番組を低予算で作るからです。前回みたようにテレビ局の制作費は2008年から、各局とも減少してたよね?広告収入の減少が制作費を直撃している。カネがなければ、報酬も低い。人材も集まらない。だから「プールから高飛び込み」って、学生の企画にしても質が低いだろ。そしてセットなども手を抜くから安全性も甘い。
まあ「VS嵐」とかは金かけてると思いますよ。嵐にケガさせたら、国民的問題ですから。ただし改編期の特別番組とか、素人が見ても適当です。結局は、仕事を断れない「ひな壇芸人」を酷使する。10月前に芸人がケガしたのは偶然じゃないと思うね。
で、週刊朝日。

こちらも結局は部数減少に伴う焦りだと思う。週刊誌は売店などの駅売りが殆どだから、特集で部数がかなり動く。ともすると行き過ぎたセンセーショナリズムに走るんだけど、今回も典型だと思う。
「政治権力へのチェック機能」とかいうが、週刊朝日を見ていればわかるが、あまりにも論調に一貫性がない。その焦りは、発行部数を見ればわかります。たとえば、ここのホームページを見てみましょう。
週刊朝日は21万を超えるくらいです。実は、似た名前の「アサヒ芸能」をやや上回るくらいで。「週刊大衆」より少ないんです。このページから遡れる範囲で見ると、2008年には29万近くある。4年間で25%以上減らしているんです。焦るはずです。部数が減れば、広告収入も当然減りますから。
それに、この21万って、どうなんだろ?橋下市長のtwitterのフォロワーは87万です。これは、週刊誌で最大部数の週刊文春より多い。もうメディアのパワーというのも、全く変化してるんですよね。
雑誌メディアは、表面的な部数に振り回されて編集したらますます読書離れを招くでしょう。ちなみに、この手の新聞社系週刊誌は病院の待合室や、銀行などのよくおかれているんですよね。ヌードとかないし、まあ「安全」なんです。そして、日本の病院は17万くらいあって、それだけでもバカにならないけど、こういう需要も減るでしょう。みんな待合室でもスマホ見てるし、病院も経費節減したいだろうし。
というわけで、スギちゃんと週刊朝日を結んでみると、マスメディアのおかれた状況もよくわかるというわけです。(10月22日・青山学院大学の講義より)

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スギちゃんのケガと週刊朝日を結ぶメディアの事情。」への1件のフィードバック

  1. kume より:

    さる週刊誌の記者と会食をしたことがありますが、酔っ払った勢いもあったかもしれませんが本気で「私達が日本の政治を裏で決めている!」「○○党はネガティブキャンペーン張って潰す!!」と言っていてこりゃ正気の沙汰じゃないなと思いました。 そしたらその週刊誌が謝罪してました。