レストランで、どうしても撮りたい人々。
(2014年4月16日)

カテゴリ:世の中いろいろ

僕はレストランで写真を撮ることはしない。特に考えあってのことではなく、出てきたものはすぐに食べたい、というだけの話だ。もっとも旅先で写真を撮ることも少ないし、とっても整理しないので写真自体に興味がないんだと思う。

レストランについての写真撮影は意見が分かれる。最近、ある有名レストランのシェフが「禁止する店があるなんて」と言ったことで、それがまた議論になっているのを見た。

僕は「ご遠慮ください」という店があれば止めればいいと思う。しかし、それが気に入らない人も多いようだ。

そういう声を見ていると「写真をSNSに載せてコメントをもらうことが最高に嬉しいのに」というようなものが結構ある。そういう人にとって、もう、レストランは食事をするところではなく、何らかの社会的承認を得るための場ということなのだろう。

メディアの変化は、人間の欲求を変形させるものなんだなあ、と。

ただ一方で、「迷惑かけなければいいし、店側に権利はない」というような理屈をこねる人もいるようだ。

たしかにそうかもしれないが、僕はレストランが「遠慮してほしい」という気持ちもわかる。

写真を撮る人の多くは私的な記録、いわば「日記」として残すのだろうと思う。一方で、一部の人はその写真を用いて「批評」をおこなっている。

気になるのは、この「批評」の方だ。仮にメディアが取材撮影をおこなうならば許可を取るだろうし、覆面調査でも掲載する旨を伝えるだろう。

ということは客が撮影したものをネットなどに出して批評することは、ある意味で無許可取材ということにもなる。だから「ご遠慮ください」という気持ちもよくわかる。

飲食店ではなく、撮影禁止の小売店などは多い。むしろ、これほど撮影がされている業態というのも珍しいかもしれない。

撮影禁止を嫌がる人の声を読んでいると、妙にルールとか権利とかいう言葉が目につく。それはネットメディアが生み出してしまった「権利」なのかもしれない。でも、そういう言葉は食事の席にそもそもふさわしくない。野暮ではないか。

一方で、身の回りにそういう権利を唱える人はいない。僕にとって、彼らのような存在は「ヤンキー」以上に縁遠い謎の存在だったりもする。

誰か、研究してくれないかな。