蒙古タンメン、スマトラカレー、そしてミラカン。
(2014年5月7日)

カテゴリ:世の中いろいろ

連休明けで久しぶりに書くので、まあ軽い話。

連休中、久しぶりに「「蒙古タンメン」を食べた。それにしても、なんで蒙古なんだか。調べると、創業者が「モンゴルは寒いから辛い物を食べているのだろう」と妄想したらしい。

まあ、この手の、「地名勘違い」というか「地名思い込み」の食べ物は結構ある。

古典ではスパゲティの「ナポリタン」だろう。あれは代用品を通り越して、ある種“日本料理”になっている気がする。

神保町の名物「スマトラカレー」もどうなんだろう。

これも創業者が東南アジアを放浪して、スマトラで香辛料のブレンドを学んだことが由来らしい。ただし、いま出てくるのはいわゆる“日本のカレー”だ。インドネシア料理ではない。ポークもあるし。

そういえば名古屋のスパゲティで「ミラネーゼ」というものがある。いわゆる“あんかけスパ”で、ベーコンやハムが入っているのがミラネーズ。タマネギ、ピーマンなどが入っているのが「カントリー」。両方揃っているのが「ミラカン」となる。

何となく平坦なイントネーションで「ミラカン、ちょ」と注文できれば、名古屋弁一級と言った感じだ。ちなみに、小エビや野菜の黄金焼きがのっているのは「サンジェルマン」。もうこうなると、誰も由来を追求しない。

サンジェルマンは、サンジェルマン。それだけだ。

ちなみに画像検索で「ミラネーゼ」を調べると多くのおしゃれな男女に交じってスパゲティの映像が出てくるのが可笑しいんだけど、「ミラネーズ」にするとひたすらスパゲティ。

まあこの手の、地名妄想メニューなんだけど、個人的にはどれも好きだ。どれも強烈な個性がある。似たような店があっても、なかなか真似できない。

で、いままで考えてもいなかったのだけれど、実はネーミングと関係あるかもしれない。つまり、このある種「でたらめ」なネーミングも、実は作った人の強烈な思い入れの反映で、その思い入れが味にも現れているんだろうな。

逆に「本場で修業」したシェフは山ほどいる。そういう人の料理はたしかにおいしいけれど、「また食べたい」と思うほどインパクトがあるとは限らない。

アナログの「コピー&ペースト」なので、どうしても微妙に劣化するのだろう。

それって、MBAを修めた人が必ずしも優れた経営者になるとは限らず、むしろ昔の創業者の方が強烈な個性があって…と書こうと思ったけど、まあ連休明けで難しい話は書けないので、まあいいや。

おいしいものの話を書くのに、ビジネスのことを持ち出すほどの野暮はないし。

しかし…ヨコイ食べたくなってきたではないか。