資生堂のマーケティング、が気になる。
(2014年8月2日)

カテゴリ:マーケティング

夏の休みに入ってる。とはいっても電波の届きにくいところでダラダラ休んでいるだけなので、じゃあ久しぶりにブログでも書こうかと。10メートルくらい歩くと電波つながるし。

ちょっと前の話だけれど、資生堂のマーケティング改革がニュースになっていた。エリクシールに関する記者発表に関連して出てきた話だけれど、ちょっと驚いたのは「100人をめどに、ブランドマーケティングの経験者を採用する方針も明らかになった」ということ。

資生堂の海外売り上げは50%くらいなので、この採用数もグローバルでの数字だろうが、国内でも相当採用することだろう。ただマーケティング経験者、しかも「ブランドマーケティング」となると、なかなか物入りだと思う。「経験者」はいるかもしれないが、資生堂の基準を満たすスキルを持っている人はどれだけいるのだろう。

もし自分が転職支援のエージェンシーにいて、この案件をもらえば「よし、チャンス!」と思う一方で、「こりゃ大変な案件だよな」と感じるだろう。

一方で、エリクシールのプレスリリースを読むと、方向は明快だ。

『これまでの「技術依存型」から「お客さまインサイト」に基づき先端の技術を結集した「顧客価値創造型」のマーケティングへと変革します。』と書いてある。

魚谷社長のメッセージは明快で、従来のマーケティングでは立ちいかないし、改革のためには今の人材では足りない、というように読める。

数年前にトヨタがマーケティング改革をしたときは、組織自体を相当変えた。今回特徴的なのは、思い切り「人」に焦点が当たっていることだ。

ここから先は、私的な感想だけど、ふと思ったのは「社内のマーケターはどう感じるのだろうか」、と。相当なダメ出しを、社外に宣言しているように見えるわけだしね。

スポーツチームの監督でも、そういうタイプはいる。選手の評価を、メディアに向けてやってしまうわけだ。もちろん、計算づくで発奮を狙うのだろうが、時には「よその人に愚痴ちゃってるだけ」というような人も稀にいる。

もちろん、今回の資生堂の宣言は相当に周到に見える。で、社内はどうなんだろう。邪推であり、老婆心であり、余計なお世話であることは重々承知だが、でも気になる。

いずれにせよ、これ大組織における相当な挑戦だと思う。

で、もし自分が資生堂のマーケティング担当者だったらどうだろうか?と考えてみたんだけど、ウウム…とりあえずここに書くのはやめておくか。