「青森はインスタントラーメン好き」とテレビでやっていたけど、その先を考えてみた?【講義覚え書き】
(2015年5月11日)

カテゴリ:メディアとか

今日はメディアとの「つき合い方」について、具体的にケースを見ているわけだけど、さっきの「8.6秒バズーカ」などを見ていると、ネットの情報も相当危ういものが、したり顔で飛び交ってることがわかると思います。

では、テレビはどうか?ということで、これもちょうど昨日のケースなんだけど見ておきましょう。

TBSの番組で、いろんなランキングを分析していているものがあって、僕はたまたま見たんだけど、昨夜は「インスタントラーメン一番食べる町」ということでした。見た人いる?(教室内ではゼロ)。これは総務省の家計調査をもとにして、取材をしているんだけど、インスタントラーメンの1番は「青森市」でした。

ちょっと、理由を考えてみてください…「寒い?」「面倒くさい?」なるほど、番組の取材から出てきたのは「塩味の強いものが好き」「B級グルメが多い」「面倒くさがり」の3つからでは?と言ってました。寒さも関係しているみたいだね。

で、皆さんこのことを聞いてどう思う?青森の人について気になりませんか?

インスタントラーメンだけではないけれど、「塩気を好んで面倒くさがり」って、あまり健康的ではないでしょ。一応番組でも「肥満率が高い」ということは言ってました。

ただし、この番組ではそれ以上は突っ込まない。「青森の人はインスタントラーメン好き」ということで、「ヘェ~」ということで、おしまいです。

さて、では実際に青森の人々の健康状況はどうなのか?
これは調べることが可能です。厚生労働省は5年ごとの国勢調査の際に、都道府県別の平均余命を公表してます。で、見てみましょう…そう男女とも最下位は青森県です。さっきのインスタントラーメンは「青森市」ですが、まず同傾向と見ていいでしょう。そして、調べていくといろんなことがわかります。

こちらはNHKの青森放送局のサイトです・そう「脱短命県」というプロジェクトをおこなっているくらいです。これを見ていくと、食塩摂取だけではなく、喫煙や飲酒も多く、加えて運動不足である、と。実は、青森にとって健康問題は相当深刻になっているわけです。

ところが、テレビのバラエティでは「ヘェ~」で終わりです。それが「いい悪い」ではない。テレビのバラエティで得られる情報は「そのくらいのものだ」ということを知っておくことが大事です。

「インスタントラーメンをよく食べる」って、じゃあ生活への影響ってどうなのか?と疑問を持って調べればすぐに別の角度からの情報が出てきます。テレビでも、NHKの地元放送局のサイトでは相当危機感がある。

ゴールデンタイムで多くの人が見る放送では、すべての情報が「摂取しやすく」加工されます。まさに、ファーストフード。そして、ネットに飛び交う断片的な情報も同じこと。ただ、ファーストフードばかり食べていれば体に影響するように、そうした情報ばかりを摂取して入れば「アタマの健康」にも影響があるははずだよね。(2015年4月21日青山学院大学における講義より)