さて、イオンの「反省」がもうすぐ見られそうなんだけど。
(2015年10月15日)

カテゴリ:マーケティング

自宅の近くにピーコックストアがある。もとは大丸グループだったが、2013年にイオン傘下になった。そのあたりから、いろいろと品揃えが妙な感じになり、どんどん客が遠のいていった。というか、我が家でも利用しなくなった。

元々地場の食品スーパーが相当優れていて、最近は駅の反対側の競合も相次いで改装している。こうなると、さらに厳しい。

もともと、イオン傘下になると決まってからあまりいい予感はしなかった。当時はプライベートブランド(PB)の全盛で、そんなものばかりになるのではないか?と思ったのだ。

で、その通りになった。夕方の売り場など悲惨なもので、ヨーグルトや納豆など、見事にPBだけが残っている日もある。

酒類も広い割にバリエーションがなく、価格幅も狭い。近くのセブンイレブンの方がよりいいラインを揃えている。

このくらいまでは、まあ予想がついたのだが、決定的に困るのは生鮮食品が傷んだり、腐ったりしていたことだ。

グレープフルーツなどの柑橘類を剥いたら中がドロドロで返品したことが半年で2度あって、同じ頃買ったレンコンは食べたら筋だらけだった。調理した後だが、食べられないくらいひどくて全部無駄になる。もう店に持って行ってクレームする気もしない。

レモンを買おうと手を伸ばしてつかむと、皮が「グニャッ」としたこともあった。こうなると、果物は怖くて手が出ない。

つまり、普通の買い物ができないのだ。

というようなことは、何十年も前ならそれなりにあったかもしれないが、この時代に日本最大の小売業の店舗で起きているとは信じられなかった。

これは、個人的な体験なので「相当運が悪い」と言われればそれまでだが、イオン傘下になってから「よくなった」という人には他の店舗を含めて会ったことがない。

このくらいひどくなると、マーケティング云々とかの問題ではない。イオンの購買担当者が「舐められていた」のだと思う。推し量るに、価格交渉を前面に押しすぎて、とんでもないものをつかまされていたのではないかと。

で、納入元から舐められていた一方で、都市部の食品スーパーの実力を舐めていた節がある。周囲の店舗を歩いてみれば、あんな大雑把な品揃えじゃダメだと思うだろうに。

で、先月日経流通新聞(その後本紙電子版にも一部転載)で「巨艦イオンの反省」特集が組まれた。ピーコックもやはり悪かったようだが、一部店舗では再度改装して上向いているという記事もあった。

もっとも8月の中間決算は食品スーパー好調で増収とあった。いろいろ手を打ったということだが、その恩恵が来るのだろうかとおもったら、いま自宅近くのピーコックは改装に入ったのだ。

というわけで、どのくらい「反省」したのか。興味津々である。さて、どうなるのだろうか。まずはレモンを手に取ってみようかな。