2015年12月アーカイブ

51BEufQk+1L._SX342_BO1,204,203,200_【読んだ本】北村薫 『太宰治の辞書』(新潮社)

久しぶりに北村薫を読んだ。小説として、とりわけミステリーとして期待をするとちょっと肩透かしかもしれない。また日本の近代文学に関心がない人にとっては、面白味は感じられないだろう。

ただ、太宰や芥川の小説を読んだことがあって、そういうのもいいよなという人にとっては、なかなかいいんじゃないだろうか。

そして、この小説は作者のデビュー作「空飛ぶ馬」の主人公が登場する。僕も途中で読んでない作品があり、それでも十分楽しめるとはいえ、その辺りの経緯を含めて説j名すると長くなるので、内容については出版社の紹介分を読んでいだたいた方がいいかもしれない。
>>>芥川の「舞踏会」の花火、太宰の「女生徒」の“ロココ料理”、朔太郎の詩のおだまきの花……その世界に胸震わす喜び。自分を賭けて読み解いていく醍醐味。作家は何を伝えているのか――。編集者として時を重ねた《私》は、太宰の創作の謎に出会う。《円紫さん》の言葉に導かれ、本を巡る旅は、作家の秘密の探索に――。>>>
僕なりに一言でいうと、「小説の醍醐味を凝縮した小説」と言えるかもしれない。

小説は役に立たないものかもしれない。本好きを自認するビジネスパーソンの中には、小説を毛嫌いする人がいる。ビジネス本やノンフィクションじゃないと「役に立たない」と思っているようで、まあそれはそれでいいだろう。

しかし、仕事がいかにうまく言っていても、生きていく上での壁はまたさまざまだ。そういう時に、小説は存在している。さまざまな時代の、さまざまな地域の、さまざまな人の生き方をストーリーによって体感することで、人生の多様性を知る。 >> 【歳末本祭り】「役に立たない」から小説は面白い。『太宰治の辞書』の続きを読む