ここは東京なのに「夜に和定食」を食べるのが難しいとは。
(2015年12月18日)

カテゴリ:世の中いろいろ

食習慣は人さまざまだが、酒を飲むかどうかによる違いは相当大きい。僕は、自宅でも何らかの酒類を飲みながらの夕食は多いし、外食でも同じだ。まず「飲み物はいかがしましょうか」と訊ねられることに違和感はない。

だから、「居酒屋で水ばかり頼むのはあり?」とかいう記事を読むと、そりゃないだろうなと思ってしまう方だ。

ただ、忘年会というものが殆どなく、今年は一件もない。フリーだと、自分で声かけなきゃそんなものだろう。もともとそういう会は嫌いで、寒い中グジャグジャの繁華街歩くのとか嫌なんで、この時期は順調に引きこもっているのだ。

一方で家人にはそれなりの集まりがあるので、1人で馴染みの店に行ったりもするがそれにも飽きたので、「まあ飲まずにメシだけ」と考えると意外と選択肢が少ない。

ハンバーガーや、牛丼などのファーストフード以外には、蕎麦屋、ラーメン屋、ファミレスなど。定食は、居酒屋などが昼に出していることが多く、夜に見つけるのは難しい。

少しゆっくりしたいと思うとファミレスはたしかにいいんだけど、ご存じのように相当店を畳んでしまった。

カフェにはそういう店舗もあるけれど、カフェという業態自体が特定の地域に偏っている。

となると、改めて飲まない人の気持ちがわかるし、飲めるけど「メシだけゆっくり食べたい人」のニーズだってもっとあるだろう?とか思うのだ。

ことに都心部はその傾向が強くて、大学の講義の後に大戸屋で食べていたら満席だったけれど、殆どが一人客だった。たしかに、他にそういう店はないのである。

東京はこれだけ飲食店が多くて競争も激しいのに、「夜に飲まずにゆっくり食事がしたい」というニーズを満たす店が少ないというのも結構不思議だ。

そもそも、酒を飲まない人はいろんなデータを見ても3割くらいはいる。後の7割も毎日飲む人は少数なので、「昼も夜も食事中心の店」というのはニーズがあると思う。そして、コンビニがそのような客をつかんでいるんだろう。

居酒屋が「水だけは困る」という理由に、「酒で利益を上げて、つまみを安くていきょうしているから」というのがあって、まあその理屈はわかる。だったら、少し値段を高くしてもいいから、質の高いドリンクバーのある店ってないのだろうか。

そもそも飲酒人口は増える見通しがない。新成人は今後減少していく一方で、高齢者の一人あたり飲酒量は減少する。支出の合理化と健康志向も進むと思うので、「夜のノンアル外食市場」は、可能性があると思う。

自宅近くの店で、夜は飲み中心だったところが定食も出すようになっているのも見るようになった。飲み屋が溢れる一方で、バランスのいい食事を提供する店が本当に少ないのだ。

外食産業って、みんな同じような市場に突っ込んで過当競争になってる気がするんだけど、この「ノンアル・夕食・ちょっとゆったり」って難しいのかなぁ。
だいたい、考えてみると日本と首都にいながら「夜に和定食を食べる」ことが、こんなに難しいっておかしいと思うんだけど。