「会社員なんて…」の空気が気になる。
(2016年4月5日)

カテゴリ:キャリアのことも

冨山和彦氏がNEWS PICKSで自伝のような連載を始めたのだが、予告編のタイトルがちょっと気になった。

「日本のサラリーマンなんかクソ食らえ」というのは、さすがに乱暴じゃないかなぁ。じゃあ丁寧に言えばいいのか。
「日本のサラリーマンなど、お通じを召し上がれ」

多分、それも違う。
それにしても、そもそもコンサルティングというのは、サラリーマンが働いた利益から報酬を得ているはずなのに。

と、野暮を承知で言ってみたけど、実際には数々の会社の現場に飛び込んで成果を上げてきた素晴らしい方だと思っているし、書かれていることにも納得する。つまり、この見出しが「今の時代の気分」という編集の判断なのだろう

会社員であることの意味、というのも結構揺れている。いま就職活動が始まっているが、多くの学生は「会社員になること」に必死だ。ところが、会社員になった人で、積極的に「いいよ~!」という声はあまり聞かない。

ネット上だと、フリーになったり起業した人の方が声がでかい。まあ、それは当たり前だと思うが、会社員向けの情報って結構限られているんじゃないかと思う。

ビジネススキルやハウツーの話はもちろんあるが、「出世術」のような本や、管理職向けのテキストもある。

でも、「普通の会社員」が「ああ、なんで毎日こうやって働いているんだろう」と考えた時に、考えてみる手がかりって意外に少ない。そんなことを根詰めて考えたらアタマの容量がオーバーするので、とりあえず居酒屋があったり、スマホゲームがあったりして気を紛らわすわけだが、紛らわし続けて気が付いたら結構いい歳になってましたという人だって結構多い。

自分なりに一所懸命に働いてきて、いきなり「クソ食らえ」的に言われても、「まあ、たしかに」と思ってしまう人もいるだろう。たしかに会社にはよくわからない習わしも多いし、ちらこちらに気を配っているうちに、「実は潰れそうです」ということをニュースで知ったということが大企業でも起きたわけだし。

でも、悪いのは「会社」じゃないと思う。人が集まれば必ずもめ事が起きる。いまの日本では多くの人が会社に属しているので、会社のもめ事が目立つということだろう。会社の外にも醜いことはたくさんある。

会社を離れているからこそ意識するのだけれど、今の生活の衣食住は会社組織の活動によって支えられている。会社がすべて、のような価値観とは距離を置きたい。でも、会社で働いている人に対して何かできることはないか。

会社至上の発想は大嫌いだが、だからと言って会社員を蔑むような空気はもっとタチが悪い。

ただ、そうした空気を晴らすには会社員が「自分で考える」ことを徹底する必要があるのだろう・

そんなことが最近の自分自身の問題意識で、そんなことが今回始めた連載の背景にある。あらためて「はたらく」を考えてみたい。

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