笑点の人事をクソ真面目に論じてみる。
(2016年5月24日)

カテゴリ:メディアとか,世の中いろいろ
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「笑点」という番組は不思議なもので、中学生の頃までは家で見ていて面白いと思ってた記憶がある。ところが、実家を離れると見なくなり、ある日に大喜利を見たら全然笑えなかった。

というわけで、その後見る機会もなかったのだが、今回は久しぶりに見てしまった。妻ともども落語好きなので、寄席や落語会には結構足を運ぶわけで、新司会者はさすがに気になる。

メディアでは4月30日「歌丸引退」報道から、ああだこうだと書きたてていた。外部招聘か内部昇格か、とかもう大企業の人事そのもので、落ち着いたところは「最年少役員抜擢」ということになる。

これで、数年後に歌丸が「何も新しいことをしていない」と言って、クビにしようとして返り討ちにあえば、まるでどこぞの大企業のようじゃないか。

というわけで、いま報道を振り返るとタモリやたけしの名を挙げて「芸能界は大騒ぎ」とか書かれているものもあって、可笑しくなる。

だって冷静に考えると今回の騒動はきちんとシナリオが描かれていたはずだ。人気者のスケジュールをおさえるのは相当大変だ。発表から3週間の間に人選できるわけがない。

しかも、2週連続で90分に伸ばすことは、「バンキシャ」を飛ばしているわけで、編成上の根回しがそれなりにいる。広告主への説明だけでも相当手間だ。2月に決めたというが、周到にやってきたわけだ。

まあ、他のメディアもわかっていながら、付き合っていたんだろう。そのあたり、日本テレビは相当にしたたかだったと思う。

とはいえ、メンバー以上に視聴者も相当に高齢化しているだろう。

CMを見ていると、大人用のおむつに、退職金運用プランとかが流れて来る。個人視聴率のデータを見ていれば当然だろうが。人気番組とはいえ、相当の危機感はあるんじゃないかと思うし、そう考えれば昇太を選ぶのもよくわかる。

昇太の独演会はよく行くが、「笑いの本質」を考え抜いている噺家は、彼と志の輔だと思う。今回久々に見て感じたが、あの沸点の低い観客相手にぬるい舞台を続けるのか、本気で若い視聴者を取りに行くのかは、相当に悩ましい。

それって、老舗の店の味付けと同じだろう。下手に変えるよりも「やっぱこれがうまい」となってくれる歳の客を待ち続けて永らえていくというのも一つの手だ。

というわけで、自分の日テレの計略にまんまとはまりつつ、「次のメンバー」は確かに気になる。

若いとはいえ、昇太も50代後半なのだから、彼より若い人を選ぶだろう。また、来週まで引っ張ってワイドでやるんだから、それなりの知名度の人ではないか。一方で独演会の席を埋められるような達者な人は、そんなに関心を示さないだろうし。

というわけで、妻と話したりして思ったのだが、現在のファン層に受けそうでいじられるキャラと言うことで本命が林家正蔵、対抗が立川流の誰か。これは流派のバランスから。穴としては、視聴率の低い関西エリアのテコ入れで西から呼ぶか。サントリーに小林製薬と、西の広告主もいるし。

歌丸が記者会見で涙をぬぐっていた手拭いが立川流のものだったのが妙に気になるが、そういうフラグまではさすがにないと思うけど。