「思い立ってふらり」が高レベルだから東京はすごい。ノット=東響「コジ・ファン・トゥッテ」
(2016年12月11日)

カテゴリ:見聞きした

cosi_fan_tutte_2016_245日曜日の夜は、家人が友人たちと食事に行くという。

最近自宅近くにはどんどん新しい飲食店ができるので、1人で偵察メシに行ってもいいんだけど、なにか舞台がないかなと探した。

コンサートから演劇辺りを検索して、キャラメルボックスの「ゴールデンスランバー」も気になったけど、東京芸術劇場のコンサート・オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」のチケットがあって、しかも1FのLBブロックという、個人的にはベストなエリアが空いている。

最近、直前検索をすると、使い勝手や残席の場所はぴあよりもイープラスの方がいいことが多いんだけど、いずれにせよ便利だ。12月は、直前の検索と予約でこれを含めて3回行くことになる。

そして、この公演だけど、歌手6人のうち、2人が体調不良で変更ということだったが、仕上がりはとてもよかったと思う。

ハンマークラヴィーアと指揮のノットは全体の見通しもいいし、要所の締め方も見事。東京交響楽団の反応もよくて、木管の音程が怪しいところもあったけど響きが充実しているから、まあいいか。

「コジ・ファン・トゥッテ」は、まあ話のリアリティは妙だし、結末もスッキリしないかもしれないけど、これは「劇中劇」みたいなもので、「男が女を騙す」話は「夢の中のこと」のような「入れ子造り」になっているようにも思う。

まあ、おとぎ話として音楽を楽しむのがいいわけで、今世紀に入って評価されたというのも、聴き手に余裕ができたからなんだろう。

東京芸術劇場は、改装以来音がよくなったと思うし、マーラーやラヴェルなど近代オケの作品だと、ちょっと硬めの残響がむしろサントリーよりも「ゆとり」があるようにも思う。

ただ、今日のような作品だと男声が3階席の後ろの方までしっかり届いたかは何ともわからない。

今後、このコンビのシリーズは「ドン・ジョバンニ」「フィガロの結婚」と続くようだけど、ぜひ行きたい。ただ芸劇はモーツアルトのオペラだと席を選ぶようにも思う。川崎の公演が週末にあれば、そちらまで足を伸ばしてもいきたいところだ。

いずれにしても、「思い立っていける」コンサートで十分楽しめるというのは、相当いい街なんだと思う。少なくても今の東京はそうじゃないかな。コンサートだけじゃなくて、展覧会も同じ。映画であれば新興国の街である程度条件は似てくると思うが、舞台や美術館はそうはいかない。

しかもこれだけ水準の高いホールが複数ある街は、世界でも稀だと思う。

だから、僕のようにクラシック、落語あるいは能・歌舞伎、あるいは時にはミュージカルという趣味だと、そうそう東京は離れられない。

待ちに待ったコンサート、もいいけど「直前にぶらり」というのは、また違った贅沢な楽しみなんだと思う。