トランプに塗りつぶされるニュース。
(2017年2月20日)

カテゴリ:世の中いろいろ

トランプが大統領に就任してひと月が過ぎた。過去を振り返ると「もうひと月か」ということが多いけれど、どちらかというと「まだひと月か」という感じである。彼の任期は、この48倍だ。いったい何が起きるのか。

だいたいトランプ関連のニュースの比率が異様に高くて、NHKからワイドショーまでトランプばかりだ。「トランプウォッチ」というフォローを始めたメディアもある。

ただ、日本人がトランプをめぐって「語れること」は、もう尽きているようにも思う。当選してからの流れはこんな感じだろう。

①知らないアメリカ」についてのうんちく

「彼があれだけ支持を集めるってことは」という背景をいろいろな方が説明した。「ラストベルト」とか「レッドネック」とかなんか色々あったでしょ

②パーソナリティへの注目

まあ、あれだけの個性だから「脇にいる坊や」から「目の周りだけが白い」とか、私生活に至るまでネタは尽きないわけだ。

③で、日本はどうなる?

選挙戦の時から安全保障の問題とか言ってたけど、クルマメーカーの名前が出た辺りでいきなり焦って「自分ごと」になってきて。

④そして実際の政策の話

就任以来ぶちかまされた大統領令、ことに入国制限をめぐる話は反発も強く、司法との関係もあってご存知の通りの大騒動。

だから、こんな会話にしかならない。

「トランプを支持する層があれだけいたんだねぇ」

「ああいうキャラが結局アメリカでは強いんだよ」

「でも、いまさら日本の自動車メーカーに文句言うのって勘弁してほしいよね」

「だいたい、大統領令も乱暴すぎるでしょ」

「けど、アメリカでは結構支持している人いるんでしょ」

というわけで、①に戻るのだ。入国禁止令にしても「とんでもねぇな」とは思いつつ、義憤を感じている日本人はどれだけいるのか。

とりあえず「火の粉はかぶりたくない」一心だから、一部からは揶揄されながらも安倍首相の支持率は上がる。そんな程度だし、その感覚はメディアも同じだろう。

そんな日本のメディアでトランプ関連のニュースをこれ以上見たり読んだりするのは、一休みしたい。メディアも報じているつもりで、完全に「塗りつぶされて」いる。「トランプ出しておけば読まれるだろう/見られるだろう」なんだろうけど、もっと大切なことはいろいろあるはずで、報じられてないこともあるようだし。

と思っていたら、今度はマレーシアであの国がショーをやってくれた。ますます大事なことが見えにくくなるよなあ。