「オヤジギャグ」は、承認不安が原因だろうと思ったんだけど。
(2018年11月5日)

カテゴリ:世の中いろいろ

最近話題になることが多いようだけど、個人的にはなんか急速なネタ切れ感もあり、結局は「諸説あります」かよ、と見なくなった番組がNHKの「チコちゃんに叱られる!」だったんだけど、先日「どうしておじさんは“おやじギャグ”を言う?」というのが気になって覗いてみた。

なんか脳科学者と称する人が出てきて言うのは、「連合記憶」が50代をピークに活性化する一方で、前頭葉がダメになり、節制が効かなくなる、とかいう説明だった。女性が言わないのは、左脳と右脳の関係云々というわけで、実はこの手の話は放映以前からネットの記事などにも多い。

脳科学、というのはある種の説得力がある、というか「脳本位制」みたいな人は結構いるので流行るし、なんか自分のできないことを「脳のせい」にしたい人には便利なのだろう。ただ、一歩間違えると性差別にもなるし、ちょっと調べればまだまだ未知の領域があるので、個人的にはそれこそ「諸説あります」程度に聞くことにしてる。

ただ、この「オヤジギャグ」については自分でも関心があって、一応仮説がある。それは「承認欲求が満たされない不安から言ってしまうのでは」ということだ。

「自分の存在は周りから忘れられてないか」という承認不安が、オヤジギャグの原因ではないかと思うのだ。

だって、そういうギャグを言う人って「その場の主役」ではないことが多い。会議とかでも、その場の最上位の人は言わないんじゃないか。なんか、微妙に影が薄い人が、ついつい和ませようとして発してしまう。

一方で、オヤジだけの飲み会になると、みんな不安になるので自己の存在を確認するようにオヤジギャグを競い合う。また家族が三世代集まると、隅っこでお爺さんがボソッとダジャレを言う。

つまり、オヤジギャグは人間の実存と密接につながっているんじゃないか。

こうして書くと、なんだか脳科学の方がよっぽど説得力があるように思うんだけど、既に承認欲求は満たされて、自分の存在感に自信のあるそれなりの企業のトップや各国の首脳は、やはりオヤジギャグは言わないんじゃないか。

豊田章男と孫正義がそろい踏みして、「ダジャレの競演」とかちょっと考えにくい。G7やG20でオヤジギャグが飛び交ってるイメージもない。

と考えていて思い出したのが、故小渕恵三氏だ。彼はマメに電話をかけていたので「ブッチホン」は流行語大賞をとっている。命名は他者かもしれないが、もちろん本人も喜んでいた。

あと、どこかの畑でカブを見て両手で持ち上げて「株、上がれ~」とパフォーマンスをした。当初に「冷めたピザ」と評されて焦ったからこそ、不安にかられてオヤジギャグを連発したんじゃないか。

調べてみると、就任間もない頃は安倍首相も「株、上がれ~」をやってたようだけど、その頃は不安があったんだろう。いまは、やらないと思う。

というわけで「オヤジギャグ=存在の不安論」を考えてみたのだけれど、先ほどソフトバンクの決算説明会のライブで孫社長がこんなことを言っていた。

「わが社もかつては有利子負債が多く、“このままではソフトパンク”と呼ばれていて……」

ウワ、決算説明でまさかのオヤジギャグ!やはり僕の仮説は間違いなのか、孫氏の性格が特徴的なのかはわからない。

かくしてオヤジギャグの闇は、想像以上に深いのであった。