カテゴリ[ キャリアのことも ]

[この内容は先日青山学院でおこなった講義の最終回で学生から就職活動を含む広い質問を受けた時に答えた内容です]

 

会社選びの基準、というのはたくさんあります。まず「やってみたい仕事」はもちろんだし、待遇も重要でしょう。その企業の業績や将来性、あるいは社風などもあります。

そんな中で最近、私が気にしているのは「女性がイキイキとしているか」という視点です。そういう会社は女性にとってだけではなく、男性にとっても「いい会社」だと思うのです。

なぜか?結論からいうと、そういう会社は「環境変化を先取りして動いているから」ということです。それは、企業が成長する上で欠かせない条件です。

さて、具体的に考えてみましょう。たとえば女性が働いていくうえで「産休」「育休」ということは、大きな課題の1つです。多くの企業が制度を整えていることは知っていると思います。男性の育休も話題になりますが、産休も含めてまずは女性の環境を考えることが大切です。

ただし、単純に考えると企業としては出産や育児のために貴重な戦力を一時的に失います。敢えて「戦力」と書いたのは、そういう発想をしている人が多いからです。そういう考えだと、その「戦力」を埋めようということになり、当然周囲の誰かが肩代わりする。あるいは、そうした休暇を見越して増員する。そうすれば結果的に生産性が下がることもあるでしょう。 >> 【青学講義覚書】会社選びでは「女性がイキイキしているか?」が大切。の続きを読む



それにしても、2018年は僕の周囲でも「人の動き」が多かった。まあ、それにしても、能力のある人ほど、意外な方向に職を転ずるのだ。もう何というか、人材をめぐる争奪戦は「フルーツバスケット」のような感じになっている。

あの椅子取りゲームで「フルーツバスケット!!」となり、常に人がワイワイしている状況が当たり前になっていて、とにかく「人材」の話は絶えないわけで、そこにはいろんな理由がある。

ひとつには各分野でデジタル化がどんどん進んで、ある程度の「標準装備」は可能になった。そうなると、「結局誰がやるんだよ」という話になる。いろんなシステムは「誰でもできる」ことを目指してきたんだろうけど、同じことをしていては競争には勝てない。

というわけで、求められるのは「より高度な人材」ということになる。

一方でワークスタイルについては、想像以上のスピードで変わっている。4月には働き方改革関連法が施行されて、勤務時間は制限をされる。そうなれば「時間をかけて頑張る人」よりも「短時間で成果を上げる人」へのニーズはますます高まるだろう。 >> 人材のフルーツバスケットで、20代×50代が気になる理由。の続きを読む



などということを、54歳にして書くことになろうとは思わなかった。けれど、まあいろいろ曲折があって「50歳」をテーマにした本を出すことになったのである。
今までの本は書下ろしだったのだが、これは日経ビジネスオンラインに連載した「ここでひと息 ミドル世代の「キャリアのY字路」を単行本にしたものだ。
文字通り、「ミドル世代」という曖昧なキーワードで、気分的には”R40”の感じだったのだけれど、書いたものをまとめて編集の人と話しているうちに、キーワードは「50歳」なんじゃないかという話になった。

というわけで「50歳」を書名に入れることを決めて、当初は連載タイトルに近いものとかいろいろと検討したんだけど、何だか予想もつかないことが起きたりして、相当に難航した。
そこで僕が軽口のように「なんか、”~の衝撃”って日経ビジネスっぽいいですよね。だから、”50歳の衝撃”って、いや~わけわからんか。ハハハハ」と言って、その日は編集の方と別れた。

そして、翌日編集の方から「決めました」というメールが来た時には、エエエ!?と思ったのだがもう時間も代案もなく、8月のお盆前から店頭に並んだ。

そうしたら、休み明け早々に連絡をいただき、重版が決まったという。ありがたいことだが、広告もまだだし、僕もブログにすら書いてないし、ネット上で話題になっていることもない。店頭で気にされるとしたらおそらくタイトルだろうから、なんだか瓢箪から駒のような発想もよかったのかと思っている。

母に見せたら「これ、どういう意味?」と言いつつ「私も”80歳の衝撃”とか書こうかしら」と言っていたので、たしかに「意味は分からんけど気にはなる」ということなのかもしれない。
中身は、ちょっとしたエピソードを元にしたフィクションだ。連載時から「あれはうちの会社でしょ」などと、いきなり旧友から言われて驚いて、そういうことは何度もあった。ただ、「ネタのもと」はたしかに事実だけれど、もちろんストーリーは作っている。それでも「うちでしょ」みたいな感覚になるなら、それは「うまくいった」としか言いようがないんだけど。
ちなみに、家の猫に見せたけど、ご覧のように関心を持つことはなかった。15歳になったばかりなので、仕方ないんだろうか。

※追記:気になって調べると、ここに来て「50歳」をテーマにした本がいろいろ出ているようだ。江上剛氏の『会社人生、五十路の壁』はスタイルはまったく異なるけど、切り口は似ているところもある。ちょうど、10歳上にあたり波乱万丈の50代を送られた方だけれど、さすがに経験が深いなあと感じた。

 

 

 



なんか身の回りで、転職とか独立とか、いろいろとすごい。6月30日付けだけでいろいろあった。個人的な観察からの話なので、もちろんちゃんとしたデータじゃないんだけど、他の人に聞いても「結構動いている」という。

6月末というのは、賞与も出て、株主総会も一段落して人事・組織が動く会社もあるので、毎年人が動くけど、いよいよ「人材流動化」から「人材大戦争」になった気がする。

つまり、人が動く、というよりも企業側の危機感がものすごく高まっているんだろう。

僕の周辺だから、メディアや広告周りはたしかに多いんだけど、それだけじゃない。年齢幅も相当広くて、還暦の人も思い切って動く。

むしろ、「今どき人が動いてない会社はまずいんじゃないか?」と感じるくらいだ。

背景には人手不足とかいろいろあるんだろうけど、ちょっと違った視点で感じたことを書いておきたい。

■ 若い会社が「分厚く」なって、かつてのベンチャーが硬直してきた

ここ10年くらいに創業した会社でも、広く人を受け入れる「厚み」のようなものを感じる。だから若い人だけではなく、ある程度キャリアを重ねた人でもそうした会社に転じる。

ベンチャーとか外資とか、そういう認知スキーマすら気がついたらなくなっている感じだ。

一方で、「メガベンチャー」のように千人単位の社員がいる企業からの流出も目立つ。もはや若い会社ではなく、気がついたら「普通のオーナー企業」で経営者とその周囲が硬直化していれば、若い人にとっては「上がつかえてる」感じだし、むしろ財閥系のほうがオープンに見えることもあるみたいだ。

■ 「働き方改革」で会社の“底”が見えた >> 「人材流動化」から「人材大戦争」になってきた。の続きを読む



NEWSPICKSが広告を出していて、「さよなら、おっさん」というキャッチコピーは、まあ、キャッチーだ。「おっさん」というのは、「この国の凝り固まった価値観やルール」と書かれているけれど、まあ実際には一定年齢以上の男性だろう。

やっぱり、おっさんはおっさんだ。

実際に、おっさんは多い。これは総務省の人口推計に出ている2017年10月1日の人口ピラミッドだけれど、40代後半が最大勢力だ。第1次ベビーブーマーも、まだ相当に多いが70歳を過ぎると絶対数はジワジワ減っている。

ただ、それはまあ以前からわかっていたことだけど、僕は別のことに興味がある。

「おっさん」は、「おじさん」が口語化したというか、促音便というか、それはまあいい。

では、女性で「おっさん」に当たる言葉は何か?「おばはん」かもしれないけど、ちょっと違う。そもそも、「おばさん」だって、昔は揶揄されていたではないか。

あ、そうだ。気がつかないうちに「おばさん」は着実に減っている。

かつての「おばさん」は、立派な体型と、タフな神経で日本を席巻していた気がする。福袋の前では、ラグビーのフォワード並みの突進力を見せ、連休の高速道路のサービスエリアでは男性トイレに侵入する。

もちろん、今でもそういう人はいるのかもしれない。でも、記号としてのおばさんはとても弱くなった。そうだ、かつてのユニクロのCMで「返品可能」をアピールするのに、すごいおばさんが出てきた。いまでもこんな動画が出てくる。20年以上前のようだが、あの頃は記号としての「おばさん」は十分健在だった。 >> さて、「おっさん」はどうなるのか?の続きを読む