タグ[ フジテレビ ]

フジテレビの亀山社長が、記者会見で今の不調を語る中で東日本大震災に言及したらしい。
「日本の意識がいろんな意味で変わってきたのが(東日本大震災の)“3月11日”じゃないかなと。今までの我々がずっと押し出してきたわくわく感、ドキドキ感や、少し浮世離れしたお祭り感というのが、どこかで絵空事に見えてしまうようになったのではないかと」

そうした中で、日本人の意識の変化をくみ取ることができなかった、という反省らしい。

しかし。

言い訳や分析はいろいろあるけど、これは相当に苦しいと思う。経営者の弁明は仕方ないけど、久々に筋が悪いと思った。

震災の直後はともかく、その後にみんなが求めたものは「わくわく」や「ドキドキ」ではなかったのか。NHKの「あまちゃん」は、あえて被災地を舞台にしながら「浮世離れしたお祭り感」を描いて話題になった。

まったく、ズレていると思う。

それに、あの震災で被災しながらも言い訳をしないで努力している人はたくさいるだろうに、4年も経ってから「やっぱ震災が」と東京の経営者が言っていること自体が、すごく変な感じもする。別にフジテレビに多くを期待するわけではないけれど、なにも経営者が先頭に立って「ダメな感じ」を振り撒くこともなかろうに。 >> フジテレビがダメなのは、もちろん震災のせいではないわけで。の続きを読む



「笑っていいとも!」が終わるらしい。
「タモリ倶楽部」は毎週見ている数少ないテレビ番組だが、こちらの方はさすがに見なくなっている。1982年のスタートというから、考えてみると自分が大学に入った年だ。ある意味続いていたことが不思議でもある。
ちょうど30年余りが経つわけだが、この番組が終わるのはフジテレビにとっても象徴的な気がする。
フジテレビは、ちょうどこの頃から視聴率を伸ばしてメジャーになっていった。「楽しくなければテレビじゃない」というスローガンでテレビ自体の位置づけを変えていったようにも思う。
「笑っていいとも!」や「ひょうきん族」などのバラエティーと、いわゆる「トレンディードラマ」で、若年層のファンを増やした。簡単にいうと「お笑い」と「色恋」で視聴率を引っ張っていったわけだ。
もっとも、競馬やF1などのスポーツコンテンツも話題になったし、報道にも勢いがあった。日航機の御巣鷹山の事故で、生存者の存在をスクープしたのもフジテレビだったと思う。
90年代に入って日本テレビが視聴率の1位になることが目立つが、その後もフジテレビと日本テレビは僅差で年間視聴率を競っていた。
つまり、「笑っていいとも!」ともの30年余は、フジテレビの隆盛期とも重なるのだ。
それが、近年変化している。テレビ朝日の視聴率が伸びて、日本テレビと競るようになった。フジは3位で、かつ数字的にも離される傾向がある。もっとも売上げなどの数字は、まだ強いようだが。

>> 「笑っていいとも!」とフジテレビの30年。の続きを読む



とりあえず収まった話なのか、まだ続きがあるのかはわからないけれども、フジテレビを巡る一連の騒動で気になることがあった。局やフジサンケイグループの報道姿勢を見る限り、取り立てて「反日」とは思わないが、いろいろと突っ込まれるような「隙」があったようにも思う。
韓国コンテンツが増加したことはたしかかもしれないが、これは同局に限ったことでもない。ただし、フジテレビは「焦り」のようなものがあるようにも思う。僕自身、地上波は殆ど見ないのだけれど、「何となく」勢いがないような感じもするのだ。
あまり放送局の経営データなどは読まないのだけれど、大学の後期の講義の準備も兼ねながら、テレビ局のデータを眺めてみようと思ったのである。
ところが、いまはテレビ各局が持ち株会社になっていて決算短信などを見ても、経営の実態が分かりにくい。そこで、公開されている決算説明会の資料を見て、テレビ「局」としての経営状況を見た方が実態はよりわかる。
そこで、調べていくうちに、「longlowの日記」というブログがテレビ局の決算などについてこまめにまとめられていることが分かった。そこで、ご本人にメールで連絡して承諾をいただいた上で今回の参考にさせていただいた。結局、各局の資料を再度確認したのだけれども、この一覧がないと、結構骨の折れる作業になったと思う。大変感謝したい。
で、今回の「騒動」の中で比較的冷静な分析として「テレビ局が経費削減のために韓国コンテンツを買った」という話がよく聞かれた。たしかに、それはそうだと思うのだが、先にも書いたようにフジテレビ以外の局も結構厳しいはずである。
それでは、フジテレビが「特に厳しい」ということはあるのだろうか。

>> 数字に見る「フジテレビ騒動」の本質。その1の続きを読む