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谷崎潤一郎『犯罪小説集』 51ieBPUtkWL
で、書き始めてから思ったんだけれど、もっとも紹介をしにくいのがミステリーの短篇集だ。

もちろん、ミステリーだからネタバレは避けたい。長篇であれば、まあ全体のあらすじとかを書いて、仕掛けの構造などを書けばいいのだけど、短篇集だと、それをいちいち書いていたら、慌ただしいばかりだ。

というわけなのだが、まず谷崎潤一郎と犯罪小説という組合せにどう感じるだろうか。「あ、それは面白いかも」と思う人には、まず十分に面白いと思う。僕もそうだった。つまり、谷崎独特の人間観のようなものが、犯罪をどう描くのだろう?という楽しみは十分に満たされるのだ。

またロジカルでありながらも、どこかそれだけで割り切れない超越した感覚を求める人にも合っているのではないだろうか。

一方で、ミステリーは好きだけど「谷崎って誰よ」という人は、やめたほうがいいかもしれいない。微妙な突っ込みどころはあるし、そもそも「あの設定は○○と同じ」とかになりかねないからだ。 >> 【本の話】腕っこきの料理人が作るまかない飯『谷崎潤一郎犯罪小説集』の続きを読む