次に「マス左派」である。どちらかというと派手な賞とは無縁の広告ビジネスに携わって来たような人々だ。マーケティングやリサーチ部門にはこうしたキャリアの人も多いが、営業にも制作にもいる。
機能重視のトイレタリーなどは日本企業でも左脳広告が多いが、外資系勢力が増えてクルマ等に広がった。そう、マス左派は早くからグローバルの波にさらされてきたのである。
そして、こうした広告主はかなりの出稿量となることも多い。したがって、広告代理店にとっては「主食」のようなものなのだ。メディア担当者にとっても大切なお客様である。
彼らにとって「広告批評」などは異教徒の聖典である。今回の休刊を見てひそかに溜飲を下げている人もいるかもしれない。今は良く分からないが、昔の「ブレーン」などが教典だった気もする。
元々マス右派ほどの日向を歩いていないので、迫害を受けていた彼らはここに来て、結構元気にも見える。広告界の中では比較的グローバル感覚があって、表現よりも結果重視だからネットとの相性もいい。これは職種を問わずいえることだ。
そうなると、各派を縦断した再編が起きるときはこの人々がカギを握るのではないだろうか。特に気になるのはメディアプランニングとクリエイティブの意識が近いこと。実は、この2つの距離が「精神的に」近い組織が、これからの広告界では残っていくと思う。
そして「手ごわいクライアント」と組んできているから、ビジネスパーソンとしてのストレス耐性も強い。ただし、マス自体の相対的低下の中では単独で課題解決はできない。そうなるとネットとの連合が必然になってくる。
one to oneの情報配信志向のネット左派と組む「左派連合」もあり得るが、大手代理店内部やその出身者の多い「ネット右派」と組む「クロス連合」も想定できる。
いずれにせよ、重要な役割を果たしていくのだろう。