ここ数年の傾向だと思うが、広告費をマクロで観察していて気になることがある。広告費全般の伸びを支えるのは民間よりも「官」や「公」に近いものが多いのである。
つまり、広告ビジネスがゼネコン化しているのだ。
電通の「日本の広告費」2007年版の解説を見てみると、よく分かる。昨年の傾向は以下の通りである(HPより抜粋)
■年前半は、前年のトリノ冬季オリンピックやサッカーワールドカップによる高い伸びの影響が現われ低迷したが、年後半は、参院選や世界陸上、東京モーターショーなどがプラス材料となって持ち直した。
■業種別(マスコミ四媒体)では、「官公庁・団体」(参院選、環境関連の広告出稿が増加)、「エネルギー・素材・機械」(ガス、遊技機関連が活発)、「精密機器・事務用品」(デジタルカメラなどが好調)など21業種中11業種が前年を上回った。一方、「金融・保険」(保険、消費者金融などの広告が減少)、「自動車・関連品」「家電・AV機器」などが減少した。
つまり、スポーツなどのイベント、選挙、さらにはエネルギーなどの公共性の高い事業に関連したものが大きく影響する。
ただし、この傾向が今後の広告ビジネスに与える負の影響が一気に出てくるかもしれないと思う。
まず、スポーツイベントは恩恵を受ける範囲が限定されている。また近年の傾向として、スポーツイベントがあるからと言って、出稿を上積みするとは限らない、総広告費の配分を、そちらに回すと言う傾向がある。
選挙はあるとは限らない。
一方、エネルギーは厳しい。オール電化に対抗して、ガスもキャンペーンを行ったが、双方ともいよいよ値上げが近いだろう。また、今夏は東京電力の供給が厳しい。電気を使えというのも言いにくいし、値上げを前にはしゃぐわけには行かない。
また、遊技機というのはパチンコ関連であるが、これは消費者金融ともども逆風下にあることは承知のとおりである。
つまり、民間の成長業種を取り込めていないか、そうした業種は広告を必要としないのか。そのあたりは、別の機会に。