あっという間に秋のような涼しさになってしまったが、今年の夏休みのニュースは「オリンピックの合間に不景気の知らせ」という風情だった。
オリンピックも終わると不況感はまた強くなるのだろうか。
夏休みの間で目に付いたのは「ガソリンが高いから遠出をしない」というようなニュースである。実際に高速道路の渋滞は減少したらしい。減少自体は事実だろうが、それはホントに「ガソリン価格」が原因なのかというと、僕は結構怪しいと思っている。
先般NHKで「上高地の観光客が減っている」というニュースをやっていた。8月初旬だと思うが、原因は例によって「ガソリン価格」だという。そこで、「知恵を絞った」旅館はガソリンクーポンをつけて営業しているということであった。
しかし、冷静に考えてみると、東京から上高地の往復に使うガソリン代はいくらなのだろうか。普通に算数ができれば、このようなレベルの報道にはならないはずである。
まず、昨年の8月お盆前のガソリン代は東京で147円。今年の同時期は185円ということである。(石油情報センターのデータ)
大体40円の値上げである。仮に東京の客が上高地を往復すると、どのくらい走るかというと、ざっと500キロ。その他寄り道しても600キロくらいではないか。日本人の旅行の多数派は2泊3日なのだから、この程度の距離である。箱根や軽井沢ならもっと短い。
燃費10キロと仮定すると、600キロ走るためのガソリンの値上がり分は40円×60リッターで、昨年より2,400円高い。
さて、2,400円の増額で、年に一度の家族旅行をやめるのか?
結局、ガソリン以上に、さまざまな値上げやボーナスの頭打ち感で心理的不況が連鎖的に広がっている。その方が原因として大きいのではないか。リッターいくらという分かりやすさで、消費不況の原因をやたらガソリンのせいにするのはかなり安直だと思う。
ファミレスにせよ観光地にせよ、productの価値が低下しているのをガソリン代のせいにしてはいないだろうか?そして、このような水準の報道が増加すると、また別の悪循環が起きる。そして、これはマス広告の不調とも関わるように思えるのだ。それについてはまた次回。