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ポジショニングの視点で、BRAVIAのコピーを読むと。
(2008年11月26日)
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ポジショニングについて、さらにもう少し。
ケラーのポジショニング論には、ちょっと分かりにくい概念が出てくる。「相違点連想」と「類似点連想」だ。
相違点については、分かる。差別化である。類似点連想、というのは「他のブランドと共通した連想」ということである。ケラーの言葉だと「ゲームに参加するための"プレイ料金"」ということになる。
ポジショニングの優れた例として、ケラーは「ミラー・ライト」(ビール)の例を挙げている。だが、面白いことにトラウトも著作の冒頭で、まず「ミラー・ライト」のケースを挙げているのだ。
ただしケラーのような理屈抜きに「ポジショニングの基本条件をはっきり押さえた直球勝負のコピーである」と評している。こんなコピーだ。
「ミラーのライトビールには、あなたが求めているものがすべて入っている。でも、カロリーは控えめ」Everything you always wanted in a beer...and less
ちなみに日本文の訳は「ポジショニング戦略」(海と月社)のものである。少々意訳であるが主旨はわかると思う。
コピーとして、日本の業界の常識からすると決して「クリエイティブ」とは言わないのかも知れないが、マーケティングにおける広告の役割を過不足なく満たしたからこそ、このよう時代が変わってもケースとして取り上げられるのだろう。
そんなことを考えていたら、こうした条件を満たしたコピーに出会った。

「今年ハイビジョンテレビを買うなら、ソニーの世界初を見た方がいい。」
ソニーのハイビジョンテレビ、BRAVIAのキャッチコピーである。
「今年ハイビジョンテレビを買うなら」というところで、類似点連想、つまり「ゲームへの参加」を表明している。(参加したい人に呼びかけている)。
その上で、「ソニーの世界初」という相違点連想を満たしている。構造は実はミラーと同じである。
このコピーはまた「広告の分をわきまえている」という点で優れていると思った。いくら広告がユニークでも、ハイビジョンテレビを一気にAIDMA的に買う人は、そうそういないだろう。そのためには、まず想起集合(evoked set)に、BRAVIAを残す必要がある。
その上で、PanasonicやSHARPとの戦いである。そこでproductやpriceで、どうなるかはわからない。だが「想起集合に残す」ことを目的と設定しているなら、このコピーのアプローチはかなり理にかなったものといえる。
1つ余計なおせわであるが、こうした広告を「クリエイティビティがない」というような上司が周囲にいて、かつ幅を利かせているならば、そのような会社には長居しないほうがいいかもしれない。




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