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ケラーとトラウトとブランド本。

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ポジショニングという概念は結構難しい。縦軸と横軸の十字を書いて、プロットすればいいというものではない。
それは「分類」である。
ポジショニングという発想はジャック・トラウトとアル・ライズの二人が書いた「ポジショニング戦略」という本が嚆矢とされている。この本の序文はコトラーであり、「マーケティング・マネジメント」でも、トラウトらの言葉を引用している。
だが「マーケティング・マネジメント」の12版では、様子が少々異なる。トラウトらについて触れられているが、その後に「類似点連想」と「相違点連想」という概念が出てくる。
これは共著者にケビン・ケラーが加わったからだ。
これが、なんとも分かりにくい。というか分からなくはないのだが「じゃあ、どうするんだ」と考えると、結構アタマを抱えてしまう。
そして、何とも文章が読みにくく思える。だが、これは翻訳の問題ではない、ケラーの英語が独特なのだと思う。
実は、この2人については思い出があるのだ。

いまから10年前に博報堂が「ブランド本」という本を出した。僕はこの編集に携わっていてインタビューをしたり、論文やコラムを書いた。そして米国の第一線の研究者に寄稿をお願いした。
その時に書いてくれたのが、ジャック・トラウトとケビン・ケラーである。依頼自体には関わっていないが、想像以上にアッサリと引き受けてもらえて感動したことを覚えている。
だが、難儀したのはケラーの翻訳である。まだ邦訳本が出ていなかったのだが、何というか英語が独特でウネウネしているのだ。訳は社外の人に頼んで、早大の恩蔵先生に監訳願ったのだが、最初の1節がとりあえずあがったのでFAXしたら、先生からギッシリと添削されてしまった。
これではできの悪い学生が迷惑をかけているようなものなので、社内スタッフも関わって、かなり直してから監訳願った。
一方のトラウトは、スルスルと訳せた。先生にも「雰囲気が出ている」と言われたが、文章が明快なのである。
ブランド本を持ち出して再読してみたのだが、やはりケラーの言わんとしていることは未だによく分からない気もするが、本自体は結構おもしろい。ブランド論が盛り上がる前で、片平秀貴先生や青木幸弘先生にも書いてもらい、香山リカさんや大塚英志さんも寄稿していただき大変に多彩だ。手前味噌ではあるが、いま読んでもおもしろい。
そうだ、明日は青木先生と久しぶりにお会いするのだ。
ところで、ケラーの「類似点連想」と「相違点連想」であるが、なるほど、と思った広告コピーに出会った。その件はまたの機会に。




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