09年の気になることをパラパラと書いてきたが、もう1つあるのが若い男性の消費者である。
ここ20年の消費構造変動を規定した最大の要因は未婚率の上昇、つまり典型的な「ファミリー」の相対的減少だ。F1やM2のような性・年齢のセグメントは無力化しているのが象徴的である。
そして、未婚率の上昇を調べると面白いことが分かる。
男性はオイルショックのあとに上昇が始まっている。経済的インパクトで、結婚を先延ばししたことと、若い人の間で「モラトリアム」が指摘された時代背景が一因だろう。
そして女性は80年代後半から上昇する。こちらは86年の雇用機会均等法の実施と、バブル経済の影響だろう。
ここ20年くらいの消費の変化をso why?で解いていくと、この女性の意識と行動変化でかなりのことが説明できる。女性の可処分所得が増加して、男性の領域にもどんどん入ってくる。いま発売されているHanakoは「東京いい男カタログ」で、日経WOMANは「働く男子リアル図鑑」である。
女が男を愛でる、というのは愛でる側に経済的優位性があるからで、これはもう10年くらいズンズンと広がっているけど、先の特集を見ると、タイトルだけでも「身も蓋もない感じ」が滲んでいて、味わい深い。
PLAYBOYの休刊など「女性を愛でる」メディアは衰える一方である。
では、今後も女性が消費市場をリードするかというと、どうなのかな?という気もしている。
意外と面白いのは「消費しない」とラベルを貼られている20代、特に男性ではないだろうか。
これはカンのようなものだけど、最近の女性が男性化して、かつビジネスの中核で頑張るということは、それだけ経済後退の影響が大きくなるのではないか?という気がするのだ。
一方で、20代の男性はこの状況でもなんとなくノホホンとしている。90年代にバブルが崩壊した頃も多くのOLはマイペースで海外旅行に出かけたりして、オヤジ連中を嘆息させていた光景がひっくり返っているような気もする。
若い男性は「クルマ・酒」離れが進んでいることで「消費しない」といわれている。たしかに消費性向が縮んでいるけど、とりわけクルマや酒に向いていないだけであり、服買ったり、Mac買ったり、スポーツしたりというライフスタイルの中で、クルマなどが眼中になくなったということからの錯覚も大きい。
彼らの消費への興味は別に衰えていないと思うのだ。
そうやって、経済のリセッションとあまり関係ない20代男性を見て、イライラしている30代後半から40代前半の女性は、かつてのオヤジ連中のように嘆息している。
もしかすると、自分で持っている株の下落とあいまって、ノホホンとした彼らへの苛立ちは募る一方かもしれない。
女性から食事に誘うと「僕、今日はジムに行くんで~」と行った光景が、フツーの現実になっていくんだろうなと思う。
「草食」というのは「男子を食べたい」女子の欲求を素直に表現したのかもしれないが、だとすれば「男子消費」は重要となる。なぜなら「食べられる」方が消費者としてはよりダイナミックになることは歴史からも明らかなのだから。