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09年気になること②「奥田発言」もう1つの意味合い。
(2009年1月 6日)
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年末年始のニュースがネタ枯れの時期に「派遣村」を立ち上げた主催者は、「耳目を集める」という一点においては優れたプランナーだったと思う。
官公庁が見下ろす日比谷公園というロケーションもそうだが、「派遣村」というネーミングも上手だ。これは、そのままニュースにしやすい。いわゆる"キャッチー"な言葉である。そういう意味では「DASH村」と同様の分かりやすさがあった。
ただし、問題はこの派遣村に来た人は百人単位であって、非正規雇用者の失業者はその100倍以上の規模になるということである。あそこに来ることもできない何万もの人々を取材するよりも日比谷公園にカメラを持っていった方が、テレビや新聞にとってはラクなのだろう。まあ、今さらだけど、それが今の日本の報道の水準ではある。
ただ、この「派遣村」報道は別の効果をもたらしている。
話題が「村」に集中しているので、昨年末にさんざんニュースで出てきた「派遣を切った企業名」が見えなくなっているのである。

今年になっても生産調整は続くから、多くの企業で雇用調整は進むだろう。だが、昨秋から一気に動いた企業はどこも日本のリーディング・カンパニーである。経営的には景気後退時の定石に忠実だったのだが、その分報道では余計に目立ってしまった。
非正規雇用者の人員調整をすること自体は非合法でも何でもないのに、あそこまで感情的な報道が先行した。報道によるブランド毀損を計算すると、かなりの額になった可能性もあるので、企業広告などでは到底取り返せない。
そこで、思い当たるのが昨年11月の「奥田発言」である。
トヨタの奥田相談役が厚労省についての官邸の懇談会席上で「厚労省バッシング」を続けるテレビを批判。「スポンサーとして報復してやろうか」と言ったという一件である。
あの発言は年金問題などを念頭に「旧厚生省」を擁護するように思えたのだが、今にして思うと別の意味での牽制球だったのかもしれない。
それは「旧労働省」に対してのメッセージだったのかな、とも思うのである。
ちょうど雇用調整が進んでいる折である。今後も騒ぎ続けるメディアと管轄する「旧労働省」へ両睨みの上での一言、と考えるのはうがち過ぎだろうか。
いずれにせよ、あまりに感情的な報道を続けるマスメディアへの企業側の感覚的嫌悪が急速に上昇していることは事実である。そういうメディアに出稿しても、同じところで毀損されてはそれこそ経費のムダだ。マスメディアや業界人のギャラに化けるくらいなら、自社の労働者に還元した方がマシということになる。
「自社の雇用が批判されている折、テレビ局や新聞の高給与のために広告費を払うことはできない」
こんな発言が飛び出したら、どうなるのか。でも、それが企業側の本音になりつつある。
この問題は想像以上にマーケティングや広告ビジネスにインパクトをもたらすだろう。そして、冷静な議論は今回もネット上でおこなわれている。
このネットメディアの冷静さが、マーケティング上のアドバンテージなるか?これもまた今年の注目点だと思う。




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