東洋経済の今週号は、このブログをご覧になるような方には気になる内容ではないだろうか。「テレビ・新聞陥落!」という特集で、広告ビジネスに関することもいろいろと書かれている。
日本テレビの氏家齊一郎氏のインタビューがあって、「このかつてない厳しい環境を3年前から警告していた」と書かれている。ところが、3年前の、このインタビューではまったく強気。
広告費について「急に伸びていくということはないかもしれないけれど、安定成長期に入ったんだから、国内経済の成長と同じ程度には伸びていきますよ」と言っている。
まあ本文を読むと実際に危機感を持ったのはこの直後のようだ。
今回のインタビューでは「現在の広告減少は景気循環的なものではない。今進んでいるのは、もっと大きい構造的な変化だ」と言っている。興味深いのは、構造的変化とは「端的にいえば流通の寡占化の進行」という指摘である。
「メーカーなどの供給者はマスコミを通じて直接需要者に宣伝するよりも、強力な流通業者に、セールスプロモーションと称するカネを払って、自分の商品を売ってもらうほうが効率的という考え方になる」
つまり「ネットの発達で」云々以前の問題なのであって、これは、まったくその通り。ただ、どこかで聞いたことがある気がする......と思ったんだけど。
そう言えば自分で言っていた。こちらのインタビューである。
2007年の6月のことなんだけれど、サイバーエージェントの須田さんと小越さんに頼まれた話したことだった。
これは会社をやめて、直接事業主とマーケティングのコンサルティングをおこなって、すぐに気づいたことだった。つまり2005年くらい。この年は、広告費全体が伸びてもマスがマイナスになった年である。
今にして思うと、立場によって現象を理解するチカラは異なることがわかる。
流通が寡占化していることは、会社にいる時から知ってはいたが、それがマス広告の減少につながるという発想はなかった。
だが、会社を辞めてクライアントと話を聞くようになるとすぐに構造がわかる。
つまり広告会社にいることで、かえって情報が限定されたり、ビジネス構造全体を理解できなかったりするのだ。会社を辞める時「情報が入らなくなるだろう」と心配してくれた先輩が結構いたんで、内心はそう思っていなかったが、一応相槌を打っておいたことを思い出す。
感覚的にいうと「広告代理店に言いにくい」話というのは確実に増えている気がする。世間の消費の勢いがない時ほど、水面下の熱量はかなりのものになっている気がする。
なおインタビューは全部で4回。2回目、3回目、4回目と続いている。後半は今読むといかにも読みが甘かった気もして恥ずかしいが。
もし、関心があれば。