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頑張れ!30代。
(2009年5月14日)
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日本における自殺者数の統計が発表された。
この朝日の記事だと、今回は30代が増えて、50代が減ったという。たしかに30代は増加傾向にあり、50代は減少しているけれど、実数であることに注意する必要がある。30代は第2次ベビーブーマーを含んでいる。また、50代は「団塊世代」が60代に突入したため、減少している。分母が多い層では実数は増加して、少ない層では減少する。人口当たりの自殺率で検証しないと深層は見えない。
毎日の記事の方が長期的な実数を20代と30代で見せている。これも率ではないけれど、興味深いことがわかる。80年代前半に30代の自殺が多いのだが、この時は人口ピーク団塊世代が30代なのである。
新聞の記事は、発表をそのまま書いているということがよく分かる。率で見た方が、遥かに有効な分析が可能なのだ。
というような新聞記者の能力分析は今さらなので、どうでもいい話。
やはり30代が増加していることは、明らかである。
自殺者増加の背景分析は他に任せるとして、いろんな企業でトレーニングやコンサルティングをしていると「頑張れ30代」という気分になる。
40になった頃は、さすがにそんなこと思わないけど、もう30代は遥かである。年寄り臭いとは思うが、やっぱ言ってみようかなと思うわけだ。
「30代」について印象的なのは、ちょうど入社12年が経った時の同期研修での社長の話である。「30代は一番、脂が乗り切っていい仕事ができる時だ」と言われたのだが、続けて「ピカソにしても、ミケランジェロにしても」と続けられたのには驚いた。

そういう人と比較されても、とても自分の30代はそうは行かないだろ、と思ったのだけど何となく嬉しかった。当時の社長は東海林隆氏だった。デザイナー出身で、言葉の端々に"文化"の薫りが漂っていた気がする。
結局、33歳で初めて社外に論文を発表して、翌年「ブランド本」を出して、その後何冊かの共著や論文を書けた。37歳で人事に異動して、一人で書いた初の単行本は40歳の退職した年のことである。当時の広告業界は、30代が好き勝手をやらせてもらえたのだ。
どの業界でもそうかもしれないけど、自分のそうした出自を踏まえて、あえて「頑張れ、広告業界の30代」と言いたい気分もある。自分でも思うけれど、40代も後半になれば色んな意味で先が見えて、冒険しない。若いうちに元気な人でも「逃げ切り」モードに入ろうとする。
一方で、20代の世界は段々とわからなくなる。特に広告業界ではメディアへの感覚が世代でかなり違う。30代はネットも知っているけれど、オールド・メディアで育ってきている。
両方知っていて、中途半端になっていることに悩む人もいるようだけど、いくらでも強みにできる。景気の悪い中で、ビジネスに携わって来たから、「地味」と言われるかもしれないけれど、耐性はあるはずだ。
30代は「もう一叩き」する最終チャンスだと思う。今から新しい分野に挑戦できるはずだし。
心配なのは広告会社の経営マネジメントが「守り」に入っている感じがすることだ。もっとも現場で頼りにされる30代に「新たな挑戦」をさせることは、とても危険に見えるらしい。
30代は岐路にいる。いつの時代もそうなのだけど、それは後から気づくことなのだろう。マネジメントがダメなら、自分で動くしかない。
こういう経済情勢で、鬱々とした気分になる人もいるだろう。僕は、暗い気分の時は、暗い絵を見るのが好きだ。中でも、好きなのはムンクで、別にどんな気分の時でも好きなんだけど。
ちなみに「メランコリ」というこの作品は、ムンクがちょうど30歳になった頃のものである。
というわけで、改めて「頑張れ、ギョーカイの30代!」と思う今日は、かなりの五月晴れ。




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