「ぐっちーさん」という人のブログがある。正しくは「債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら」というブログだ。たしか2006年くらいから僕は読んでいると思うが、サブプライム問題を07年ごろから指摘しており、一気に名を上げて有名になった。
こと金融については勉強になる。
そのブログでキリンとサントリーの統合問題に言及している。
非上場企業のリスクについての言及もちょっと疑問なのだけど、気になるのは「利益率の低さ」が経営課題で、その理由が「広告宣伝費」と断言しているくだりだ。
しかも、「バドワイザーもハイネケンもハリウッドスターは使わない」のに「日本では電通のためにやっているのではないか」という、"お話"になる。
ハッキリ言うと、こうした意見が「革新的」だと思っているのなら大間違いだと思う。
たしかに、欧米のビール会社や飲料メーカーは有名俳優を使わないかもしれない。80年代のペプシはマイケル・ジャクソンに500万ドル払ったというが、たしかに現状でタレントは少ない。
しかし、広告に有名なスポーツ選手や俳優を使うこと自体はある。
また、日本の広告がタレントを使うのは「無駄遣い」ではない。たしかに、高いかもしれないが、媒体費に比べればコストにおける比率は全然低い。
しかも、その方が結果的に売れるので、「元がとれる」ためにタレントを使うのだ。そんなことを計算しないで、タレントにカネを払うほど、日本のメーカーは愚かだと思っているのだろうか。
そもそも、日本の食嗜好に合わせるとブランドが多くなるのでCMにはアイコンが必要なのである。もっともブランド過多な面もあるけれど、少なくてもマーケティング担当者は「無駄な販促費」が出ないように日々頭を悩ませているのである。
に決まっているでしょう。この市場環境なんだから。
金融業界の真ん中にはこうした感覚の人がフツーに働いているということなのか。
このブログでもそうだけど、電通を諸悪の根源のように書くのは、「ちょっと前」のネットのお約束だった気もする。マスメディアがなかなか言及しにくい「電通」について、ハッキリと文句言えるのがネット文化だ、というようなノリである。
でも、どうなんだろう。おでこに石の当たったゴリアテを、後ろからツンツン突っついているだけにも見えるんだけど。
たしかに、広告宣伝費はまだまだ合理化できると思う。しかし、単純な「電通=ラスボス論」が続いている限り、ネット文化もどうなんだろうか、という気もしてしまう。
ただし。先のブログのコメントでは、既に僕が思ったようなことが幾つも書かれている。ネットは常に「普通の真っ当な人」によって成熟していくということなのだろう。