
電通が「電通デジタル・ホールディングス」という組織を作るらしい。
広告ビジネスはご存知のようにマスメディアの売り上げが急減しているわけで、いわゆる「非マス」な分野に注力しているのはいまさらの噺、いや話なんだけど改めて「デジタル」という文字を目にすると不思議な感慨もある。
つくづく、電通は「マーケティングの会社ではない」という実感と、「メディアは誰にも譲らない」という意志みたいなのを「デジタル」から感じてみるのだ。
僕がクライアントとマーケティングの課題を洗い出しているとき「デジタルをどうにかしたい」という話題は聞かない。消費財でマス広告中心のクライアントが「ネットでどうにかならないか」「インタラクティブを強化したい」という話は今でも多いけど「デジタル分野」という概念は聞かないな。
そもそも、デジタルってどういう分野に使われるのだろう?
いわゆる「ネット」というのはコンピュータをベースにした通信技術なので「デジタル」だ。またネット以前から「デジタル録音」のような技術はあって、これは「アナログからデジタル」のように、もう何十年も前からイメージされている概念だろう。
いずれにせよ、「情報処理」や「配信」の世界では「デジタル」であることは、それなりに重要なのだ。
ただし、「モノを売る/買っていただく」というマーケティングの世界では、そのデジタルによってどんなソリューションが可能なのかが重要なのだ。
そこで「インタラクティブ」という言葉が浮上して、広告会社もこの言葉をセクション名に冠したのだと思う。また、そうした空間を「サイバー」という概念で括るのも有り、だと思う。
だから、ここに来て電通がこうした事業を「デジタル」でまとめたのは、何となく懐かしい感じもする。子どもの頃、初めてデジタル時計を見たような郷愁というのか。
ここからは想像半分ではあるけど、「インタクティブ」やましてや「consumer relationship」なんてあまりに"かったるい"と思われた方が、比較的年配の経営陣には多かったのはなかろうか。その手のをいくらやっても、何かマスメディア時代に比べて手間ばっかかかるし、という感じで。
「結局、新しい水道管を作ったなら、その管を押さえれば水もどうにかなるんだろ」みたいなわけで、水の流れる方向や水質はともかく、「要するにデジタルでしょ」というイメージ。
先日の高広さんの「バッサリとしたエントリー」を読んで、そういう思いを強くしたりもするのだった。