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若者の「若者」離れ。
(2010年2月17日)
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コメント(7)

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若者はいろんなモノから「離れている」らしい。クルマ離れ、酒離れ、海外旅行離れ、テレビ離れ......もう分析も含めて聞き飽きているだろう。そもそも分析が変なのも多いし。
何でかっていうと、それは「若者」という対象に対して大人たちの勝手な思い込みがあるからだと思う。
彼らにとって「若者」とは単なる「若年層」ではない。若者は時に反抗的だが希望に満ち、羽目を外すこともあるけれど好奇心に溢れた存在。そうした暗黙の前提で若年層を捉えている。
だからいろんなモノから離れていくのが不思議なのだろう。そうして今の時代の若年層は「若者」らしくないと語ってみる。
しかし、その原因は若者にあるのではない。明らかに大人の側にあるのだ。
かつての若者が「若者」足りえたのは社会が「若者らしさ」を許容してかつ支えていたからである。
学生について言えば、親の余裕がなくなっている。仕送り額の調査でも明からだ。高度成長期は親にもゆとりがあり、金利もそこそこあったので教育費もそれなりに見通していた。一方親は学生に甘かった面もある。親世代が戦争体験者だったので物質的貧困はできる限り回避させたいという気持ちが強かったのだろう。「クルマが欲しい」といえば、とりあえず中古を買ってやったりする。
考えてみれば学生運動が活発な時代も、社会全体やメディアも若者に甘かった。戦後の自由な雰囲気を代弁してくれているので心のどこかで応援していたのか。大人が蒼ざめるのは爆弾テロ以降である。

社会人になっても大人が20代を支えていた。「私の履歴書」とかには20代の頃の失敗談がよく出てくるが、だから今の若手に「失敗を恐れるな」といっても説得力はない。
もはや会社には失敗のできないような空気が蔓延して、そういう人事制度になりつつある。余裕のない環境で導入された実力主義は、先輩たちを保身に走らせる。「お前がダメだとオレの評価が下がるんだ」という露骨な言葉を発する上司が増えた頃から、若者は「若者」であることを辞めようと思ったに違いない。
そして、若者は「若者離れ」を始めた。その原因が自分たちにあることを直視しないで、若年層の行動を嘆いても意味はない。
昨日書いた「オッチョコチョイな消費」だって、オッチョコチョイできる舞台がなければ、無理だろう。
それは、もはやマーケティングの域を超えているのだろか。
あと1つ気になるのだけれど、今のステレオタイプな「若者」論が無意識に男性の今昔を比較していることだ。女性について言うと「離れ」論はあまり有効ではないと思う。これについては、またいつか考えてみたい。


コメント(7)
[ TS ] | 2010年2月17日 21:43

そんなに難しい話では無いですよ。
単純にインターネットと携帯電話が
彼らの空いた時間と興味を奪っただけです。
今、携帯とネットが存在しなければ
彼らは昔のように飲食し、服を買い、テレビをみて車にも乗ります。

そうと思わないのなら、彼らから携帯とネットを取り去った姿を想像してみてください。

ほら。

答えが出たでしょう。


[ Author Profile Page 山本直人からTSへの返信 ] | 2010年2月17日 22:33

コメントありがとうございます。

「仮定」で考えると、それも1つかもしれません。
もし、20年前に今のように携帯とネットがある仮定するとどうでしょう。飲食をして服を買い、テレビを見て車にも乗り、さらに携帯とネットを使っている可能性もあると思います。


[ 774 ] | 2010年2月18日 01:35

わたしも漠然とTSさんのように思っていたけど、
ブログ主さんの解釈の方がイケてる気がします。
「モラトリアムを取り上げられてしまった若者」
って呼べば良いのかなぁ。
そう考えてみると、
(フェミニストから怒られそうですが、)
最近であっても、
男性よりも女性の方がモラトリアムが許されていそうだから、
女性の「離れ」論があまり有効ではないのかもしれない。


[ Author Profile Page 山本直人から774への返信 ] | 2010年2月18日 08:24

コメントありがとうございます。
日本の場合、この20年余りの規制変化が、女性に与えた影響が大きいんだと思います。このことはまた別の機会に書こうと思います。


[ momo ] | 2010年2月21日 16:07

面白いですね。メディアの求める「いかにもな○○」「○○らしさ」にはもう限界があるように思います。

他方ネットで「それだけではない」「一部だけを買う大解釈的に採り上げている」と反論できる環境を考えると、もっとメディアは多様性、多様な価値観を提示すべきだと感じました。


[ DJ_KATOU ] | 2010年2月21日 18:41

若者っていつでもいいかげんな生き物で、そんな若者に大人はいつでも文句をつけるもんですよね。でも、大人だってかなりいいかげんでっせ!っていう指摘が出てます(パオロ・マッツァリーノ「反社会学講座」)

それから日本社会に根付く同調圧力も問題だと思います。本当は、個人が多様な考え、価値観を持つことを嫌がってる人って多いんじゃないかなって思ってました。でも山本さんの言うように社会が不寛容になってきている、とも考えられます。どちらにせよ、怖いです。とても。


[ Author Profile Page 山本直人からDJ_KATOUへの返信 ] | 2010年2月23日 11:04

コメントありがとうございます。

>momo様
もはやマスメディアの論調は「鑑賞」の対象ですからね。

>DK_KATOU様
いろんな背景があるのでしょうけれど、日本の場合は大人の「逃げ切り願望」が最大の問題だと思いますね。




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