人事の季節になった。辞めた頃は、自分のいた会社の異動記事を読んでいたが、最近は気がついたら終わったりしている。もっとも今年は大きな異動があり、僕の現在のクライアントから「どうなってんですか」と解説を求められることが相次いだので、久しぶりに読み込んでしまった。
まさか、その解説はここに書けないけどね。
で、最近思ったマーケターのキャリアパスについてちょっとメモ。
趣旨は、マーケターは「いわゆる本社部門」を経験するといいよ、という話。つまり、経理、財務、人事、経営企画などの部門である。
僕自身、会社生活最後の3年は人事にいたのだけれど、これは本当に後で役に立った。経験も踏まえてその理由を3つほどにまとめておく。
1つは、マーケティング活動をバランスよく見ることができるからだ。マーケティングはカネを使ってカネを稼ぐ。当然攻めの発想になるけれど、視野が狭くなることもある。本社部門に行くと、カネやらヒトやら会社の「資源」をどう使うかという視点が身につく。マーケティングに費用対効果が求められる時に、この経験は大きい。
2つ目は、新しい知識とネットワークができることである。本社部門の仕事は法令などのルール変更を学んだり、新しい方法論の動向など「イヤでも学ぶべきこと」が多い。そこで社外の勉強会に行くと、いろいろな人とネットワークができる。そして得てしてスタッフ職同士は仲良くなることもある。
3つ目は「官僚の発想」を学べることだ。官僚的というのは悪の代名詞のようになっているが、常に組織の維持・発展を念頭におく官僚の行動がなければ、組織は持たない。企業経営においても、予算や企画の決定権を持っている人は、官僚的に発想する。
ここで「官僚的だから」と文句を言っている社内マーケターや広告代理店の人は結局機会を逃がしている。上司やクライアントが官僚的であることを前提にしてプランを通すのが仕事だからだ。本社部門を経験することで「官僚的発想のクセ」や説得の方法を体得できる。
マーケターのキャリアパスは、そもそも日本では前例が少なすぎるので、それぞれが自分で考えるしかない。
昨年のアドテックでは「専門性の罠」という発言をした。自分の得意分野が技術革新によっていきなり陳腐化するリスクのことである。
本社体験はこの罠を回避する上でも有効だと思う。