会社を辞めて独立してから5年半経った。
その間、古巣の広告市場は大変動だった。経済変動とメディアの技術革新で風景は一変している。
当然インターネットの影響は大きい。
しかし、考えてみると独立事業者としての自分はネットの恩恵をフルに受けてきた。
まず、第一に営業コストが削減される。ネットがない時代は、事務所を構えて、秘書(または同様のサービス)がいて、会社組織にすることで、まず「信頼」を得る必要があった。
いまだに1人の個人事業主だが、これもホームページで発信できて、かつ依頼を受けられる仕組みがあるからだ。
素晴らしいではないか。
次に、モノや情報の収集において個人と組織の差が減少した。会社を辞める時「情報が入ってこないのでは?」と主に年配の方が心配してくださり自分も気にはなったが、それは杞憂であった。
政府の調査データなども簡単にダウンロードできるし、検索エンジンでナマの声も拾える。
実は研究で助かるのは古書の入手が恐ろしくラクになったことだ。絶版の本を求めて神保町を彷徨したり、早稲田から高田馬場まで歩くこともなくなった。これは本当に重宝する。
さらに、人的ネットワークの広がりと絆。これについては、多くのインディペンドのプレイヤーが実感していることだろう。
ここで、当たり前の「ネットの可能性」を自分なりに整理してみる。
新刊を出す。3月に出したばかりなので、見た目にはかなりハイペースなのだけど、5月書いたので裏事情でもハイペースだった。
ネットでは予約を受けていて、書店では9日から並ぶ予定だ。
今回は、マーケティングの本を書いた。しかも、広告やコミュニケーションについても深く書いている。
そして広告関係者の人が、いま一つ書ききれていないこと書いてみた。
基本的には広告を出稿する事業主の視点なので、広告会社の利益にならないようなことをするべきだ、という内容もある。
またマスメディアの報道などが広告媒体として適切か?ということも書いた。これも、広告関係者の人は書かない。(多分、「書けない」だと思う)
AIDMAやAISASは広告の本に書いてはあるけど、マーケティングの本には後ろの方に書いてあるだけで、しかも研究者は否定的だ、ということも書いた。
でも、ネットだけでどうにかなるわけではないよ、ということも書いたので、原稿枚数を抑えるのが大変だった。
じゃあ、ネットとマスのベストバランスは?ということについては新モデルを提示した。
キーワードは「関与度」だ。ただし、「高関与なものはネットで調べてから」というような単純なモデルではない。
あと、人材のことも書いた。どういう状況では、どういうクリエイターを選択するべきか?ということを発注者の視点でパターン分けをした。
エイギョーが「このCDの実績は」とかいって持ってくるものを、鵜呑みにしてはいけない。ということもよくわかるはずだ。
あと、どうして広告会社と一部媒体社の人は毎日お酒を飲まないと仕事にならないのか?そもそもそのお金はどこから出ているんだろう?という素朴な疑問も書いた。
普通に2009年が来た。
別に毎朝同じような日の出を見ているわけだが、折角なので元旦の太陽を写真におさめた。
昨年の半ばに、ホームページを一新して"広告"をタイトルにしたブログを始めてみた。自分自身マーケティングの仕事に関わっているため、それをテーマにすると結局何も書けなくなってしまう。コンサルティングの仕事はそういうものであって、いろんな会社の「マーケティング施策」についてあれこれweb上で論じている「マーケティング・コンサルタント」は、本当にクライアントがいるのかしらん?とか思ってしまう。
だが、広告については直接の利害がないので、まあ書きやすいので始めてみたという次第だった。
広告業界から、一歩離れて、というか現実的には数歩離れたのかもしれないが、4年以上経つと何となくわかることもある。一番印象的なのは「思ったより嫌われてもいないが、それほど頼られてもいないんだな」ということだろう。
事業主から見ると「いいお友達」なのである。
デザイン上の変更もあるが、少し情報発信にチカラを入れてみようと思った。使っていたブログのシステムを入れ替えて、さらに内容も変えた。分かりやすくというと「パワーアップしてモデルチェンジ」である。
しかし、書くのは一人なのでパワーには限界がある。
結局はブログを2つにするところから始めることとした。