naoto_yamamoto:Blog / 広告って、なに?
home
profile:自己紹介およびこれまでの経歴について
concept:著書・論文・およびその他の活動実績
works:しごとの基本的発想について
service:提供できる具体的なしごと内容
form_NY:マーケティング、キャリアのことから雑記まで
ヤマモト・リポート:マーケティング、コミュニケーション、キャリア等についての不定期刊リポート
昔のブログ
contact:お問い合わせ

このブログについて
広告をめぐる今とこれからについて考えます。

このブログを購読


アーカイブ



トピックアーカイブアーカイブトップ

「女優の酒井法子被告の薬物事件がなければ、今回の衆院選で民主党の得票はもっと伸びていた?」
このようなリードで始まる記事がasahi.comに出ていた。9月11日付けである。7月13日から投票日の8月30日までの報道内容を調査したところ、酒井法子の逮捕をきっかけに選挙に関する報道が減少したというのだ。
まあ、これだけ解散から選挙までが長いのだからネタもなくなるだろうし、あの逃走劇はやはりインパクトがあったというわけで。
ちなみに大学教授は以下のようにコメントしている。
===============================================
「テレビは民主優勢の影響を受けた報道内容だった」と指摘した上で、「もっと放送量が増えていれば、選挙結果では民主への支持の振れ幅がさらに大きかった可能性がある」と分析。
===============================================
仮定の話とは言え、これはいささか強引な結論に思える。それよりも 重要なのは、その次の記述だと思うのだ。
この研究会は有権者に調査したが、その結果投票の際に重視した政策テーマは
(1)景気対策(2)年金(3)医療、の順番だったという。ところが放送された番組時間を分析すると
(1)年金(2)医療(3)教育の順で、「景気対策」は「年金」の1割程度ということだ。
有権者の関心事と放送内容がずれることで、自民党の提示した「景気対策」が埋没したということでこの記事は終わっているが、大事なことが飛んでいる気がする。
もう、分かる人には分かる話だろう。これが地上波テレビの現実なのだ。

選挙と法子と世帯視聴率。の続きを読む

adtech.JPGアドテック東京、というイベントのパネラーを勤めた。9月3日の17時からのセッションで「マーケター・タレントの育成」、つまり人材育成をテーマとしたセッションである。
モデレーターがADKインタラクティブの横山氏、そして、東芝の荒井氏、スケダチの高広氏に、僕である。
「うちの会社は」というような"売りもの"があるわけでもないので、「身軽」なセッションである。質疑にもそれなりの時間を割けたし、そもそも台本無しにドンドン質問が振られるので、"飽きない"という意味ではなかなかのディスカッションだったと思っている。
会場の空気など、全体を通して感じたのは「ああ、"広告業界"の定義が変わるんだな」という空気感である。
広告=adに、技術=techがくっついてこれだけのイベントが成立する、というのは、見る人から見れば当たり前なのかもしれないけど、それなりに「昔」を知っている立場からみると、「隔世」な感じはするわけだ。

アドテックで喋って感じたこととか。の続きを読む

大原麗子の訃報を聞いて、"アッ"と小さく叫んだ。長らく芸能活動から遠ざかっていたので、若い人には縁遠い存在だろうが、僕らは全盛期を知っている世代である。
幾つかのテレビで、「代表作」としてサントリーレッドのTVCMが取り上げられていたのが印象深い。CMが一女優の「代表作」となりえた時代がかつてあったのだな~、という感慨もあるが、あのキャンペーンは個人的にも印象的だったことがある。
ちょうど入社した頃の研修で、あのフイルムを見せられた。その時に「このCMは単に男女の機微を描いたものではない」という解説を受けたのだ。
大原麗子が演ずる女性は「家で待つ」女だ。男は出てこない。電話がかかってきて、字幕で「男の声」が出るような演出の作品もあったけど、姿は見せない。
そして、演出の中で「男」を描こうとしていた。そういう話だった。

大原麗子の"文脈"。の続きを読む

300px-Vote.jpg選挙になってしまった。
もともと大学時代の専攻は選挙理論と予測モデルである。ゼミの活動の一環として訪問調査をしたこともある。広告代理店に入る時も、その辺りの経験を適当に「志望理由」にした。
最近思うのは、選挙とマーケティングはやっぱり似ているということ。しかも、それは日本社会の空気をものの見事に反映している。
自民党幹部が宮崎くんだりまで詣でたことは、その後の混乱の象徴のように言われたが、普通に考えれば分かる話ではある。大阪の知事もそうだけど、国政に転身すれば一定の票は確実に期待できるだろう。
なぜか?彼らは多くの国民が「知っている」からだ。
「知っている」というのは、個人的に知っているわけではなく、テレビを通じて「知っている」だけだ。しかし、「知っている」人は選挙では強い。「何を考えているか」を知らなくても票が集まる。
ところが、先日の都議選では有権者が「知らない人」がたくさん当選した。もともと東京のような都市では、多くの有権者は地方議員の存在に関心も敬意も、依存も薄い。しかも公示直前に出馬した候補が、ベテランを破ったりした。
「知らない人」が票を集めた理由は明快で「民主党」という看板があったからだ。
つまり、有権者の投票基準は「タレント」か「ブランド」ということになる。ブランド力の低下した自民党がタレントに依存したくなるのは、間違ったわけではない。
しかし、これはマーケティングのおかれた状況と奇妙に一致する。

タレントか、ブランドか。の続きを読む

新著の反響が段々聞こえてくる。
初めて単行本を出した2004年は、アマゾンのレビューが市民権を得つつあった時代で、自分自身でもかなり気にしていた気がする。
ただし、その後は、あまり気にすることもなくなった。読めば読んだで、著者としてはそれなりに疲れることもある。
ところが、今回のレビューはなんだか面白い。という話を人づてに聞いて読んで見ると、たしかに面白い。下手すると、僕の本よりも面白いかもしれない。そうか、批評が一つのカテゴリーとして成立するというわけか。
現在のところ、3名の方が書かれているが、すごいのはすべてが半ば実名であるということ。
一つ目は、ペンネームの中に姓名が入っている。2番目は、「家電最大手宣伝部」の方がイニシャルで書かれている。3つ目は苗字がペンネームに入っているのだが、文章を読むと電通の社員のようだ。
アマゾンのレビューって、最近は「半実名化」したのだろうか。
それにしても、、それぞれの立場で"買う気の法則"をキッチリ読んでいただいていて、とても感謝なのだけれど、完全匿名でないことが、著者にとってもなんとなくの安心感とうれしさがある。
匿名と実名のもたらす心理って、なんなのか。よく分からない面もあるのだろうと思った。

「ぐっちーさん」という人のブログがある。正しくは「債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら」というブログだ。たしか2006年くらいから僕は読んでいると思うが、サブプライム問題を07年ごろから指摘しており、一気に名を上げて有名になった。
こと金融については勉強になる。
そのブログでキリンとサントリーの統合問題に言及している。
非上場企業のリスクについての言及もちょっと疑問なのだけど、気になるのは「利益率の低さ」が経営課題で、その理由が「広告宣伝費」と断言しているくだりだ。
しかも、「バドワイザーもハイネケンもハリウッドスターは使わない」のに「日本では電通のためにやっているのではないか」という、"お話"になる。
ハッキリ言うと、こうした意見が「革新的」だと思っているのなら大間違いだと思う。
たしかに、欧米のビール会社や飲料メーカーは有名俳優を使わないかもしれない。80年代のペプシはマイケル・ジャクソンに500万ドル払ったというが、たしかに現状でタレントは少ない。
しかし、広告に有名なスポーツ選手や俳優を使うこと自体はある。
また、日本の広告がタレントを使うのは「無駄遣い」ではない。たしかに、高いかもしれないが、媒体費に比べればコストにおける比率は全然低い。

「電通=ラスボス論」の危うさ。の続きを読む

華々しく広告をやっていたり、何かと「ランキング」を発表する大手の就転職支援産業とか人材関連サービスの会社というのは、人を「煽る」ことが基本である。
「いま転職しなくては」「早く就活しなくては」
そうやって、人の大切な時間を振り回すのは、なぜだろう?そうやって、慌てて転職させたり、学生にスーツを着せると、皆が幸せになると思っているのだろうか。
そんなわけはない。そうやって、人々を煽って焦らせると自分たちの「ビジネスになる」ことを知っているからである。
そういう仕組みを知ったほうがいいよ。と学生には話しているし、本にも書いたけれど、どうやら煽る対象は学生だけではなく、企業にも向いているようだ。
ダイヤモンド・ビッグ&リードという会社が「大学生が選んだ新卒採用力ランキング」という調査をやっている。今年で3年目で、こちらのページに結果がある。
つまり、学生に企業の「採用力」を評価させてランキングしているのだ。

"圧迫面接"は正しい。の続きを読む

銀座の辺りを歩いていたら西武百貨店のポスターが目に入った。
コピーがある。
「日本を明るくするのはオカイモノだ」
夏市・冬市のポスターのキャラクターのクマは相変わらずだけど、今年はコピーのご託宣がある。
経済政策的にいっても個人消費のウェイトは高まる一方なので、このコピー自体は正しいのだろう。
しかし。
地下鉄で見たAERAのポスターの大見出しが"ボーナス「激減明細」"だったりするわけで。そうなると、「明るくしたくてもワタシは参加できん」という人がきっと多いのだろうな、と思う。
「カネがあっても使わない」状況と「元々使えるカネがない」状況では、手の打ち方が違う。最近はジワジワと後者の方に傾いている人が多い気もするのだ。
昨秋以来の不況は、地方の企業城下町を直撃した。ところが都市部のホワイトカラーの報酬は3月まではどうにかなっていた企業も多い。

日本を明るくするのはオカイモノか?の続きを読む

「社会を明るくする運動」というものがある。これは、ポスターなどで見たことがある人も多いだろうけれども、意外と内容を知らなかったりするのではないだろうか。
これ、カンタンにいうと「犯罪者の立ち直りを一緒に支えましょう」という運動である。服役した人が出所しても、世間が受け容れてくれるのか?前科を持った者への風当たり厳しさはジャン・ヴァルジャンが身を持って教えてくれるではないか。
そこで、国がおこなう運動が「社会を明るくする運動」なんだけど、このネーミング聞いて「出所者の社会復帰支援」だと思う人はまずいないだろう。
もっとも国がお笑いコンテストをやっていると思う人もいないだろうけど、このネーミングたしかに難しい。
「犯罪」「前科」「出所」などという言葉はもちろん避けつつ、やはり運動の意義は伝えなくてはいけない。当たり障りのない運動名になった際にどういう議論があったかしらないけれど、この運動は来年で60回になるという。
で、なんと新しい名称を募集するというニュースを見た。
これは、究極のネーミング課題だと思う。日本の新受刑者は増加しているので、将来的には出所者も増加する。たしかに、あまりにも抽象的な運動名では理解も広がらないだろう。
ちょっとだけ、考えようと思ったんだけど、本当に難しい。
ちなみに応募概要はこちら

先週の話なのだが、家でテレビをつけたら、ちょうどサッカー日豪戦のハーフタイムだった。後半のスポンサーがアナウンスされるので、どこがついているのかな~と見ると、まずキリン。
これはともかくとして、その後に出てくるスポンサー名が知らない法律事務所で、さらに「ハリーポッターと謎のプリンス」までスポンサーになっている。
まあ、この日豪戦が「W杯出場を賭けた一戦」だったりすると、日本人のストレスはかなり高まっていたはずなので「消化試合」だったのは、まあ国民の健康のためには良かったのだろうが、広告ビジネスとしては、さすがに厳しい感じ。
驚いたのはその法律事務所。「カバライオン」というキャラクターが出てくるのだけど、つまり消費者金融の利息の「過払い」を返還しましょうね、という広告なのだ。(どうやら6日のウズベキスタン戦以降日本代表のスポンサーだったらしい。見てなかった)
で、カバライオンはそのキャラクター。歌はなぜか桑名正博。広告ビジネスというのは「その時代のカネの流れ」を忠実に反映している。消費者金融が「借りましょう」という時代は、そうやって貸付金が増えていく。そうなると、利益の上がる金融業の広告が増える。
今回は利息を払いすぎたので「取り返しましょう」ということになると、法律事務所にとってはビジネス機会ではある。

おカネの流れと広告と。の続きを読む