naoto_yamamoto:Blog / 広告って、なに?
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広告をめぐる今とこれからについて考えます。

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大概の広告を見ると「ああ、そういう企画なのね」と意図はわかる。かなり唐突なCMでも、「あ、こういう事情なんだろうな」とか企画書が透けるものなんだけど、時々「???」なものもあって、最近だと、アサヒ飲料の「富士山のバナジウム天然水」のポスターがそれにあたる。
駅で見たのだけど
「階段を使わずにエスカレーターをついつい使う人」の84%くらいが『健康には健康水がいいと思う』と答えた」
とかいうポスターである。
コピーや数値がうろ覚えなので、HPで確かめたのだけど、そのヴァージョンはなく、他にあったのがもっと不思議だった。
93.3%という数字がドーン!っとあって、その内容というのは「健康が気になる人には健康水だと思う」と答えた人の割合だそうだ。
アタマの中が沈黙する、といった感じのポスターだ。
なんで、こうなったのだろう、調査はお金がかかる。
「雨が降ったら傘をさすものだと思う」
「外に出る時ははき物を履くものだと思う」
「仕事に行く時は服を着るものだと思う」
とたずねて、傘や靴や服の広告したら、どうなんだろ。
もしかすると、これはジョークなのかもしれない。実証広告の極北。どうやれば、調査で100%近い人に「YES」と言わせるかを試してみたとか。
ああ、しかしこのプレゼンテーションは見たかったな~。

本を脱稿した。というか、既に初校が出て、再校待ちだ。出版予定は7月10日。前作が3月だから、今までに比べていきなりのハイペースになっている。
5月の連休の最後の3日で半分書いたのはいいけど、続きの構想が曖昧な上に仕事が詰まっていたので、しばらく放っておいた。で、5月29日から3日間で残りの半分を書いておしまい。
実質キーボードを叩いていたのは6日で、一日7時間くらいでどうにかなったことになる。これから、単行本はこの方式で書くのがいいのかも。
と言っても書くことがあるから、その先が早いのであって、この6日間以外にノートに書きなぐったアイデアの時間は当然それなりにある。
書いた内容は、主に広告のことを中心に論じたマーケティングの本だ。

広告業界の外から書いた広告の本。の続きを読む

YAHOO!のトピックに「ブーケトスは人権侵害?」と言う見出しがあって。気になったのでクリックしたら、このページにたどり着いた。AERAの記事の転載だ。
結婚式でのブーケトスが「独身女性あぶり出しイベント」になっていることの、妙な空気感を捉えていた。取材を受けている女性の声にも共感できるし、いい記事だと思う。
しかし、何が惜しいって「人権侵害」だよ。
AERAの見出しは「ブーケトスは人権侵害だ」と、なんとも勇ましい。
何で、こうなるんだろ。これがインパクトなのだと、思っているんだろうな。でも、記事の女性のインサイトはちがうと思う。
この「人権侵害だ」という見出しが朝日臭、というか新聞臭なんだろうな。でも、それって「ジャーナリズム臭」じゃないわけで、あえて言えば「加齢臭」、しかもヤニ臭さも付加されて、少々低品質感な感じ。
新聞社の若手の記者なんかと話すと、何で?と思うくらいいい意味でフツーの感覚なんで、じゃあ何でこういう記者が現場にいて、ああいう質の記事が毎日載るのか疑問だったんだけど、やはりこれは組織的な問題なのかもしれないな、と。
元政治部かなんかの人が週刊誌に来て、なんか「飛ばされた感」がウズウズしていると「人権侵害だ」の見出し付けになるのかなぁ。
そういえば、YAHOO!の見出しは「人権侵害?」ということで、それがまっとう。さすがと言う感じで「人権侵害だ」に調味料入れて、「読ませる記事」にしている。整理部もYAHOO!で修行したほうがいいのかも。
注:もっとも「人権侵害」は本文にもあるので、このタイトルが誰の思いかは、よく分からない面もありますね。

政府が、新型インフルエンザについてのテレビCMを始めたらしい。
まあCMと言っても、コマーシャル・メッセージはどこにもなく、政府広報みたいなもんなんだけど、何でCMをやるんだろうか。
広告効果的に言うと、「認知」はもう100%という感じである。「理解」というのも、かなり進んだのではないか。マスクの効果とかややカン違いはありそうだけど、とりあえず熱が出たらいきなり医者に行かないほうがいい、とかは理解されたと思う。
では好意?って、インフルエンザに対する好意度向上なんてないからね。首相が選挙前に顔を売りたいのか?と勘ぐる人もいそうだけど、あの内容で別に好意は上がらないだろうな。下がりもしないけど。ネットでも公開されているけど、かなりつまらないし、本人もつまんなそうだし。
そうなると、助かるのは放送局くらいかな。この間の、電通決算時の幹部の「選挙に期待」発言じゃないけど、ここまで民間の出稿が減る中ではありがたい話には違いない。そうかそうか、あれはテレビ局への「公的資金注入」なのかと思うと、何となく納得したりして。
というか、そんな税金の流れ聞いてないし、全然納得感ないんだけど。
ちなみに今度の騒動で気づいたんだけど、所轄の保健所って電話はもちろん場所も知らなかった。生まれ育って今も住んでいる区なのに。CMよりも、全国単位の大規模フリーコールセンターを作った方がいいんじゃないのか。

「CMの6割、視聴者の心に届かず」
こんな見出しの読売オンラインの記事を読んだ。もちろん、CMというのは万能ではないのだけど、よく背景がわからないので「CM総合研究所」のHPを見たけどリリースがない。
J-CASTニュースのこの記事を読んでわかったのだけど、どうやら独自取材の記事だったようだ。
この調査会社は昔から定点調査をしていて「好感度ランキング」とやらを出している。ただ、この調査は調査対象者にCMを「5つまで記入させる」という方式である。いわば純粋想起なので、出稿量の多い企業に有利だ。それを好感度というのはどうなのか、ということでかつて議論になった。
僕が会社の研究開発でCMの調査システムに携わっていた頃に、このデータが出てきて話題になったのだ。かれこれ10年以上前のことである。

そこまでCMはダメなのか?の続きを読む
(2009年5月14日)
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日本における自殺者数の統計が発表された。
この朝日の記事だと、今回は30代が増えて、50代が減ったという。たしかに30代は増加傾向にあり、50代は減少しているけれど、実数であることに注意する必要がある。30代は第2次ベビーブーマーを含んでいる。また、50代は「団塊世代」が60代に突入したため、減少している。分母が多い層では実数は増加して、少ない層では減少する。人口当たりの自殺率で検証しないと深層は見えない。
毎日の記事の方が長期的な実数を20代と30代で見せている。これも率ではないけれど、興味深いことがわかる。80年代前半に30代の自殺が多いのだが、この時は人口ピーク団塊世代が30代なのである。
新聞の記事は、発表をそのまま書いているということがよく分かる。率で見た方が、遥かに有効な分析が可能なのだ。
というような新聞記者の能力分析は今さらなので、どうでもいい話。
やはり30代が増加していることは、明らかである。
自殺者増加の背景分析は他に任せるとして、いろんな企業でトレーニングやコンサルティングをしていると「頑張れ30代」という気分になる。
40になった頃は、さすがにそんなこと思わないけど、もう30代は遥かである。年寄り臭いとは思うが、やっぱ言ってみようかなと思うわけだ。
「30代」について印象的なのは、ちょうど入社12年が経った時の同期研修での社長の話である。「30代は一番、脂が乗り切っていい仕事ができる時だ」と言われたのだが、続けて「ピカソにしても、ミケランジェロにしても」と続けられたのには驚いた。

頑張れ!30代。の続きを読む


電通が決算発表をした。赤字と言っても、評価損の問題もあり営業利益は確保されているのだから、それ自体はあまり問題だとは思わない。
驚いたのは、記者会見での発言だった。
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中本祥一常務執行役員は「しばらく厳しいが、今期の好材料の一つは総選挙。選挙が拮抗(きっこう)する状態になれば、広告にもたくさんお金を使ってもらえるのでは」と、総選挙関連の広告需要に期待感を示した。
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たしかに、そうではあるけれど。
政党の資金は、民間からの献金や寄付金だけではなく、総計数百億もの政党交付金がある。その一部がこうした選挙時の広告に回るという側面もある。当たり前のことを言うと、交付金の原資は、税金だ。
特にコメントはしないけれど、なぜ決算発表の席で、わざわざこのようなことを言われたのだろうか......。
いろんな意味で、ちょっと不思議な気がする。

carnation.jpg
近所の花屋の前を通ると、道端にまでアレンジメントフラワーが溢れている。そうか、明日は母の日なのか。
父や母の誕生日には花を届けることもあるけれど、母の日や父の日には何もしない。それどころかクリスマスにプレゼントを買うこともないし、要するに世の中の誰かが決めたイベントには乗りたくない性格なのだろうか。
誕生日や就転職などの個人的な節目があれば、惜しまず祝うんだけど。
で、このあいだ人と話していて思ったのだけど、そうなったのは母の日のカーネーションに原因があるかもしれない。
小学校の4年頃だと思うが、妹2人と算段して、はじめてカーネーションを買おうと思った。予め花屋で値段を聞いておいて、「このくらい買えそうだ」と思って、当日か前日に花屋へ行った。
そうしたら、値段が倍くらいになっていたので、とても寂しい思いをした。

母の日と市場経済の思い出。の続きを読む

価格.jpg
忙しかった。
多分、来週になるとそういうことはなくなるのだけど、電波の入りにくいところに行くつもりなので、ブログを更新する頻度は落ちるかもしれない。
マーケティングや広告関係の人も、あえて景気の話すらしない、という風情になっている気もする。
で、今年前半は、というか今年いっぱいは価格がらみの要素が最重要ポイントになって、そのうちの幾つかの潮流は定着するように思っている。
よく言われるのが「不況時の低価格志向ではなく、価値が見合わうものに流れが移る」というものだ。つまり、こういう論調は楽観論と共に語られる。
でも、それは嘘。
「単なる低価格」というのあ93年ごろの「価格破壊」の頃に体験していて、たしかにその時の輸入ビールの味や激安スーツの出来は「安かろう●●かろう」といったイメージもあったけど、近年の「低価格商品」は、大体のものが「価値に見合っている」のだ。
大手流通のPBなどに流れた消費は、一定の割合で固定化するだろう。また、メーカーの価格設定も「低価格帯固定」を呼び起こすかもしれない。
新車の販売もホットなニュースがある。189 vs. 205 という戦いだ。でも、それはアルファロメオとプジョーの型番ではない。ホンダのインサイトと、トヨタのプリウス。
単位は「円」。まずは、それだけのことなわけで。もちろん、それ以上のこともあるんだけど、最大のメッセージは明らかに価格だ。
それにCVSにおけるNBの値引きも常態化してきた。週代わりで500mlペットボトルの有力商品が147円から127円になっている。
それが見るからに売れている。
じゃあ、こういう時代の広告の役割は何か。
「できるだけ、この価格を維持できるように効率化してあげること」誰か、この模範解答と異なる答えを提示できるのか。
個人的には「できそう」な気もするが、まだよくわからない。しばらくは数字の支配する世界が続くように思う。
そういえば「広告批評」の最終号が書店に並んでいる。延命装置の拒否......そんな連想がはたらいた。


僕は、さまざまな業界のクライアントの仕事をしているので特定の企業をここで批判することはしない。たまにブランド戦略に疑問を唱えたり、業績を分析したりするくらいである。
ただ、このニュースについては自分の考えを明快にしておきたい。
それは、ソフトバンクのグループ3社が入社希望の大学生に対して「特別面接枠」を設けて、この枠に応募した学生には契約をとるための「営業活動」をさせ、その実績を評価に加味するというものである。
詳しい話は、こちらにもこちらにもある。
これが法令違反かどうか、厚労省も調査するというが、それが違反であろうがなかろうが、あまりにもひどい。
僕は、大学で「キャリア・ディベロップメント」を教えている。学生に対して特定の企業を勧めることもしなければ、その逆もない。だが、ソフトバンクのこの方法は強く批判するし、さすがに「問題がある」と言う事になるだろう。
理屈からしても、おかしいことは多い。実際は営業活動なのに報酬を払わなければ「ただ働き」である。窃盗罪ではないが、「盗っ人」と言われてもいいようなことだ。
就活はただでさえ、学生生活の貴重な時間を使っているのに、それで儲けるのか、ということになる。ちなみにこれはインターンとは全く異なるものだ。
しかし、一番の問題はこうした理屈ではない。

ソフトバンクの卑しさ~白戸家の笑顔の裏の続きを読む