
近頃「マス広告の崩落」のような話を聞くたびに思い起こすことがある。
もう十年前の話だ。ブランドコンサルティングという新組織を立ち上げるために、いろいろとリサーチをしていた。その一環として、つてをたどって当時戦略コンサルティングのパートナークラスの方々を訪れ、運営の要諦をたずねて回ったこともある。
その中で、大変印象的な方がいた。たしか銀座の裏手で飲んだのだけれど、結局は昔の音楽の話になって、松田聖子の歌のコード進行や歌詞のことで盛り上がった。
もちろんコンサル商売についても多々貴重な話を伺うことができた。
その後、2001年に僕は人事・人材開発セクションに異動した。いわゆる「本社」の人になったので自社の経営について考えなくてはならない。
これは初めての経験だった。
当時はブロードバンドがようやく始まり、i-modeにしても「海のものとも山のものとも」という雰囲気だった。ITバブルが崩壊して、まだまだマスメディアは安泰に思えた。
僕は、人口減少が必然だと思っていたので、将来的にマスの単価は下落すると思っていたし、早めに備えることが自分の仕事だと思っていた。
しかし、経営サイドの多くは楽観的に見えた。「マスがなくなるわけではない」という言葉を耳にすることが多かった。「なくなるわけではない」のはそうかもしれないが、「どの程度まで減少する可能性があるのか」「どのように備えるべきか」という議論をする必要があると思っていたので、食い足りない気がしていた。
そして、以前話を伺ったコンサルタントの方を再訪した。