ショスタコーヴィチの夜は素晴らしかった。ゲルギエフとマリインスキーの話なんだけど。
いきなり曲目が変更になっていて、しかも協奏曲、しかもショスタコの1番である。トランペットも含めて、これが素晴らしい演奏だった。
この時点で、メインのシンフォニーの成功は半ば約束された感じである。観客が、指揮者とオケ、ソリストに最大の祝福を送っている。
こういう日のコンサートは、まずうまくいく。コンサートホールが祝祭の場になっているのだから。
というわけで、メインの交響曲第10番は、サウンドにおいても、内容の濃さにおいて、そして何より「ノリ」が良かったのである。
たしかに、チャイコフスキーは「古典」であったと考えると納得がいく。ショスタコーヴィチは、彼らロシアの人々にとって「同時代の共感」がヒシヒシと伝わってくるのではないか。
若い楽員も多いが「ソヴィエト」のことを知る人々もメンバーには多いだろう。
彼らがショスタコーヴィチを演奏する時、果たしてどんな思いが胸をよぎっているのか。僕には想像もできないが、とにかくできる限りの拍手で彼らを祝福したのだった。