正月に妻の実家に行って、帰りの新幹線で「チャイルド44」を読了した。名古屋から東京までで、最後の300ページあまりを一気読み。
ちなみに、これは2009年のことではない。今年、2010年の正月の記録だ。つまり2008年の「ミステリー海外ベスト1」を一年遅れで読んだのである。いまさら僕が批評することも気が引けるのだけど、「ソ連」という未開の歴史を舞台にしたこと、そしてスターリン統治下というある種の「極限状態」を前提にしたことでリアルと幻想が交錯したような小説になったことが、最大の収穫だったように思える。
ミステリーとしての精緻さよりは、サスペンスとしての切迫感やアクション・アドヴェンチャーとしての迫力、さらにはハードボイルド的な人間模様などの側面を色濃く感じた。
そういえば、貧困な食の象徴のように「ライ麦パンとゆで卵」が出てきたな。
本は読まないでいると、読まない癖がつく。早速2009年のミステリーは幾つか買い込んでいるので、この周回遅れを取り戻したいと思う。
その前には、ゲームを「1日1時間」とかにしなくてはならんのか。
考えてみると本の紹介を書いたことがない。
理由はわからないけど、ネットが普及するにつれて、したり顔の匿名批評家が増えて、書評をするという行為が陳腐化していることが、生理的にイヤなのかもしれない。
毎日のように更新される書評で有名なブログのオススメ本を買ったこともあるが、クビを捻ることもある。連日「こんな素晴らしい本があるのか」というくらい驚き、どれも素晴らしく見えるけれど美辞麗句が明らかにインフレになっていると思う。
かと思うと、匿名の素人書評家の言も苦笑を通り越してもの悲しい。
ディクソン・カーの代表作に対して「素晴らしい」と言いつつも「残念ながら5つ星は進呈できない」と書いている評を、とあるオンラインショップのサイトで見た。
極東の匿名の読者に星を「進呈」いただけるとは、カーもきっと嬉しかろうが。
まあ、そんな世の中である。
で、新刊レビューと言うほどではないが、読んだ本、読み返した本などをタラタラ書いてみたいと思うけど、あまり仕事関連のものは書かないだろう。
で、昨年末に初めて読んだ本のことを書く。トレヴェニアンの「シブミ」である。