2011年12月アーカイブ
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「就活に強い大学」とかいう特集が目につく。季節的なものもあるだろうが、今年はなんと「夕刊フジ」とかにも出ているようだ。親が就活を気にするというか、きっと口を出すようになってきたというか、そういう世代が大学生の親になったということで、それは自分と同じ世代だったりするんだけど。
じゃあ、一番就職に強い大学はどこか?これは、いろんな基準があるので雑誌によっても異なるだろうが、自分の印象でいうと一橋大学である。実際そういうランキングにした雑誌もあるようだが、これは実感に近い。
理由は単純で、学生の質に加えて絶対数が少ないことである。一学年が1000人くらいではないだろうか。東京大学が3000人くらいで、早稲田だと10000を超えるはずである。この絶対数の少なさ=稀少性が就活にどう影響するのか。
それは採用側の視点で考えればすぐにわかる。
人事としては、最終的に「いい学生」を取りたいのだが、大学のバラエティは確保したいのである。多くの経営者は、採用の細かいことを見ない。100人採ったら、「どの大学から何人」を大雑把に見る。その時に特定の大学ばかりというのは、あまり好まれない。まして、一橋のようなクラスを取り損なうと「採用担当は何をやっているんだ」ということになりかねない。実際に一橋の学生を取り損なうことは結構あるようだ。これは、卒業生の多い大学では考えられない。
一方で、慶応のことを人事担当者は「ゴキブリ」に喩える。ともかく、ワラワラと人気企業に群がってきて、しかも落そうにも結構しつこい。これは、最近のことではない。僕が就活をやっている頃に、人事部にいるとある先輩に聞いた話だ。これは今でも変わっていない。必然的に慶応の学生のライバルは慶応の学生になる。
さて、このように考えると、実は多くの大学生にとってのチャンスが見えてくる。いわゆる「中堅私大」の学生は、もっともっと機会があるはずなのだ。

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