2012年02月アーカイブ
(2012年2月22日)

カテゴリ:キャリアのことも

一人で仕事をしている人は、意地がある。それは、会社組織への対抗心のようなものかもしれない。それは、フリーの人でなくても想像できるのではないだろうか。
そして、もう一つが「屈折」だ。これは、ちょっと説明を要するかもしれない。
フリーランス、特に企業を辞めた者は、一方で企業のことを気にしている。当然、古巣のことが気にかかることもある。
そして、その企業の業績が良くても悪くても、何だか気になったりしているのだ。多くのフリーランスはそんなことを敢えて口にはしない。それはそうだろう、あまりにカッコ悪いからだ。
もし自分が独立した後に思うように仕事がなく、一方で古巣の会社が好業績だったりする。その場合、果たして自分は冷静でいられたかというと、そんなことはなかっただろう。そして、自分の仕事がうまくいっていて、かつていた会社が不調だったりすると、それはそれで気になったりする。
何か、大変にややこしいのだけれど、これは実際に会社を辞めた人同士で話していると感じることでもある。
時には、この屈折をものすごいエネルギーに変えてしまう人がいる。勤めていた会社の内幕を暴露するような本を書いちゃったり、いつまでも辞めた会社や業界の悪口を言い続ける人だ。
一方で、自分の中の屈折をちゃんと向き合えない人がいる。そういう人は、とりあえず会社組織というものを否定してみたがる。みたがるんだけど、何となく根拠がないので空回りをするのである。
別にフリーにならなくても、転職をした人と話すと、時折似たような感覚を持っていることに気づく。そして、あっけらかんとしているよりも、適度に屈折している人が、何となくカッコいい気もするのである。
まあ、それは自分の思い込みかもしれない。
そして、そうした屈折とは無縁に見える会社員を見て、ときおり「それもいいよな」と思ったりしながら、「いや自分は正しかった」と自答を続けるのが、まあフリーの正しい屈折だったりするのである。