2015年12月アーカイブ

職人技というのは、日本人が大好きな世界のようで、テレビなどでもよく取り上げられる。先日、高層ビルの窓掃除をする「ブランコ師」が出ている番組をやっていたが、JR東日本の東京駅折り返し7分間で掃除するチームの話は見聞きした人も多いんじゃないだろうか。

もちろん掃除だけではなく、この職人技の世界は日本の伝統芸術への憧れと、昭和へのノスタルジーが一体となっていまもなお魅力的だ。

この手の世界を取材して、外国人が“Oh!”と驚けば、まあそれなりの番組ができる。この手の職人技は、誰もができるわけではないけれど、日本人の心の拠り所になっているところもあるのだろう。

でも、職人技信仰って進歩を妨げている面もあると思う。窓拭きだって「じゃあ自動化すればいいじゃん」とか、「そもそも拭かないでもいい窓は作れないのか」という発想から新しいことは生まれてくるんじゃないか。

自動運転やドローンもそうだし、マイナンバーなどの制度でもやたらと「危険じゃないか」という話が先行しやすいのは、「過剰なリスクゼロ志向」と「自動化への懐疑」がセットになっているように思う。

その一方で印鑑登録制度のような、江戸時代から続くシステムが温存されている。

そして、自動化への懐疑は、職人技への憧憬と表裏一体になる。そりゃ下町ロケットは上手なインサイトを突いているわけだ。

もっとも、高度成長期はどんどんオートメーション化を進めてきたわけだが、ここにきて職人賛美が受けるのはどうしてか? >> 「職人賛美」は進歩を遅らせるのか?の続きを読む