2016年12月アーカイブ

91zrdjrpsdl折角だから、あと1回くらい今年の本を書こうと思って、最後はアート&音楽篇。

音楽については、以前紹介した『武満徹・音楽創造への旅』(立花隆/文藝春秋)が戦後文化史としても出色だった。

もっと間口は狭い感じがするものの、読みやすくて面白かったのが『マーラーを語る 名指揮者29人へのインタビュー』(ヴォルングガング・シャウスラー/音楽之友社)だ。

アバドからジンマンに至る29人の指揮者に、マーラーの音楽について尋ねていくという構成だ。

マーラーが好きで、いろいろな指揮者を聞いている人にとってはもちろん興味深いと思うけれど、このインタビューはマーラーを通じて「指揮者の思索」を浮き彫りにしているところが面白い。

つまり、「ああ、結構深く考えているんだな」とか「意外とアホだなこいつ」のように、指揮者のアタマの中を開いて覗いているような感じもするのだ。

個人的に面白かったのは、バレンボイムとブーレーズ、あるいはマゼールなど。カラヤンのことを語るアバドや、そのアバドからの薫陶に感謝するドゥダメルなど、指揮者同士の出会いや影響を知ることもできる。

ちなみにブーレーズによれば、マーラーの音楽素材は「葬送行進曲、軍隊行進曲、レントラー舞曲、それだけ」ということらしい。まあ、そうかもしれないけど。 >> 【2016読んだ本から】③音楽とアートなど。の続きを読む