2017年02月アーカイブ

会社員が同僚とメシを食いながら、「仕事」の話をしたりするときには幾つかの階層のようなものがあると思っている。

1つめは、「職場の話」だ。その場にいる人が知っている人と、その振る舞いについてなので、新人からベテランまで中身は違ってもスケールとしては似たようなもの。これは、会社以外でも見られる。

2つめは「ビジネスの話」だ。90年代後半くらいに、「最近の会社員は“うちの課長は”という文句ではなく“うちの社長は”と言いたがる」と言っていた評論家がいたけれど、たしかにそうだろう。

職場の話から、階層が変わったのだ。それは、現在ではむしろ会社員同士の話題の定番かもしれない。

そして、3つ目は「経済の話」になるはずなのだけれど、ここになるといきなり怪しくなる。たとえば「黒田日銀の政策の是非」などを誰かがうっかり言い出したらどうなるか。先ほどまで、自社の社長をいろいろ言っていた人も、大概はいったん言葉に詰まるんじゃないだろうか。

「まあ、さすがに手詰まりなんじゃないの」

とか言うかもしれないけれど、そんなのは誰だってわかる。手札があれば、なんかもうちょっといろいろやるだろう。 >> タイトル通りの素晴らしい一冊「ビジネス現場で役立つ経済を見る眼」【書評】の続きを読む