2018年08月アーカイブ

などということを、54歳にして書くことになろうとは思わなかった。けれど、まあいろいろ曲折があって「50歳」をテーマにした本を出すことになったのである。
今までの本は書下ろしだったのだが、これは日経ビジネスオンラインに連載した「ここでひと息 ミドル世代の「キャリアのY字路」を単行本にしたものだ。
文字通り、「ミドル世代」という曖昧なキーワードで、気分的には”R40”の感じだったのだけれど、書いたものをまとめて編集の人と話しているうちに、キーワードは「50歳」なんじゃないかという話になった。

というわけで「50歳」を書名に入れることを決めて、当初は連載タイトルに近いものとかいろいろと検討したんだけど、何だか予想もつかないことが起きたりして、相当に難航した。
そこで僕が軽口のように「なんか、”~の衝撃”って日経ビジネスっぽいいですよね。だから、”50歳の衝撃”って、いや~わけわからんか。ハハハハ」と言って、その日は編集の方と別れた。

そして、翌日編集の方から「決めました」というメールが来た時には、エエエ!?と思ったのだがもう時間も代案もなく、8月のお盆前から店頭に並んだ。

そうしたら、休み明け早々に連絡をいただき、重版が決まったという。ありがたいことだが、広告もまだだし、僕もブログにすら書いてないし、ネット上で話題になっていることもない。店頭で気にされるとしたらおそらくタイトルだろうから、なんだか瓢箪から駒のような発想もよかったのかと思っている。

母に見せたら「これ、どういう意味?」と言いつつ「私も”80歳の衝撃”とか書こうかしら」と言っていたので、たしかに「意味は分からんけど気にはなる」ということなのかもしれない。
中身は、ちょっとしたエピソードを元にしたフィクションだ。連載時から「あれはうちの会社でしょ」などと、いきなり旧友から言われて驚いて、そういうことは何度もあった。ただ、「ネタのもと」はたしかに事実だけれど、もちろんストーリーは作っている。それでも「うちでしょ」みたいな感覚になるなら、それは「うまくいった」としか言いようがないんだけど。
ちなみに、家の猫に見せたけど、ご覧のように関心を持つことはなかった。15歳になったばかりなので、仕方ないんだろうか。

※追記:気になって調べると、ここに来て「50歳」をテーマにした本がいろいろ出ているようだ。江上剛氏の『会社人生、五十路の壁』はスタイルはまったく異なるけど、切り口は似ているところもある。ちょうど、10歳上にあたり波乱万丈の50代を送られた方だけれど、さすがに経験が深いなあと感じた。