2012年01月アーカイブ
(2012年1月19日)

カテゴリ:世の中いろいろ
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「食べログ」をめぐるトラブルの話って、なんか安易に糾弾できないような気がしてる。
まあヤラセがよろしくないのはともかく、何というかあのサイトを気にしないと思いつつ、気になる自分がいたりするわけで。
それは、ある種の「病」じゃないかと思っている。あえていえば「不安と嫉妬病」とでもいうんだろうか。
食べ物を巡る情報は溢れていて、かつニーズも強い。ただ、誰もが自分の味覚に自信を持っていないのだろう。だから、食の情報なかでも点数化されたりランキングされるものが人気になる。
おいしいと思ったレストランに行った後で、ネットの情報を見る。それは、コンサートや芝居のあとに批評を見ることに似ている。共感できれば、自分の体験はより豊かなものとなっていく。
問題は、そうでない時だ。ここで「やっぱり味のわからないやつが匿名で言いたいこといってるや」と思う人が多数派ならば、食べログだってあんなに見られないだろう。そうなると恐る恐る、自分の納得度を上げてくれる情報を見たくなる。
その一方で、「もっとおいしいものを食べている人がいるんじゃないか」という、気持ちもあるだろう。偉そうに食べ歩きを誇っている人への妬みも起きてくる。価格の高い店だと、そうした妬みが行間から滲んでくる。

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(2012年1月19日)

カテゴリ:キャリアのことも
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この言葉は、とある評論家の方にお会いした時に聞いた言葉だ。コラムニストとしてはかなり有名な女性で、若者論に強い。
そして、もちろんプラスの意味に使っている。補足するとこうなる。
「だって、経験が少ないのに、あれこれやってみたがるんだから、バカな結果になるわけでしょ。それなのに、最近は大人がムキになって”バカな若者”を糾弾してるのは何なんだろ」
それは、大人に余裕がないんじゃないか?という話になったけど、そういえば彼女は余裕があった。
それ以降、若者に対して苛立ちを覚える時に自己分析をしてみると気づくことがある。
8割方は自分に余裕がない時。で、後の2割はホントにバカ。
でも、「バカ率」からいうと、全世代でそのくらいはフツーに存在しているので、特に世代の問題ではないだろう。
これは、加齢による2つのバイアスが作用しているんだろうと思う。
1つは「過去の自己過大評価バイアス」だ。「自分が若い時には、もっとちゃんとしていた」という奴である。多分違う。80年代の学生にツイッターを使わせたらいま以上に大量のバカが発見されたはずである。
もう1つは「現在の自己過小評価バイアス」だ。つまり「大人」の側に自信がないので、若い人の振る舞いや言動に対して過剰に苛立つ。バブル崩壊後の世代論に余裕がなくなってきたのが象徴的だと思う。
もっとも学生がマジメになればなったで「オレが若いころはもっとバカだった」という人は必ず出てくるのだから、若者論というのはある意味大人の不安の反映なのだろう。
そんな自戒も含めて、新刊「世代論のワナ」を出しました。こちらのブログをご覧ください。