2016年10月アーカイブ

資生堂「インテグレート」のCMがオンエア中止になりました。若い女性をターゲットにした広告でしたが、CM内の言葉を「セクシャル・ハラスメント」と捉えた視聴者からの声に配慮したということです。

このようなケースは他にもいくつか見られました。たしかに「文句を言われる可能性」は感じます。ただし、ハラスメントとは決めつけられないとも思います。これは人によっても意見が分かれるし、私としても白黒ハッキリ論じにくいテーマだと考えてます。

資生堂は女性向け商品を中心に、長いこと多くの広告を制作してきました。今回の件も制作側に悪意はないと思いますが、なぜこうした問題が起きるのか?

それは、「インサイト」と「ハラスメント」という異なる視点からの発想が、ぶつかっていることが理由だと思います。

広告やマーケティングの現場ではインサイト(insight;洞察)という言葉を使います。ターゲットのなる人の心の奥底にある意識、つまり「その人になりきって考える」というような意味合いです。

今回のCMでも20代女性のインサイトを掘り下げようとしたと思います。

また一般的にはそのためのインタビュー調査などもおこなわれます。そういう意味で、この広告の制作者はインサイトをつかむための努力をしたと考えられます。

さて、それでは、ここで別の視点で考えてみましょう。

今回の広告ですが、こうした言葉が「独り言」だったら問題になったでしょうか? >> インサイトとハラスメントの狭間で揺れた資生堂のCM。の続きを読む