2014年11月アーカイブ

「世の中を変える」という人は多いが、「変えたくない」という人は多くない。

というのは、あくまでもメディアの景色のお話なので、現状に満足している人が多いとしても、彼らは「このままにしよう」とは大声では言わない。

一方で、若くして「世の中を変えたい」と行動すれば、それは注目されることも多いわけだが、そうした人の得意技が「子供に成りすますこと」だったりするというのも、まあ驚くといえば驚くが、その知恵も小学生水準だとすれば、別にどうでもいい感じになってくる。

この手の騒動を見ていつも思うのは、宗教改革の話だ。唐突かもしれないけれど、結構シンプルに深い。

ルターの宗教改革記念日は10月31日。考えてみればハロウィーンと同じ日だが、日本ではあまり知られてない。まあ、そうだろう。

もう20年ほど前だが、この日の前後の教会の礼拝に行ったプロテスタントの教会でこのことを知った。その時に「現代において、プロテスタントの存在意義とは」という話になった。

プロテスタント(protest=抗議する)という名前は、カトリックの堕落に対しての抗議である。その後、両者の対立は多くの政争、戦争につながるが現時点ではそれぞれの存在を承認している。

では、この現代において抗議し続けることに意味があるのか?この答は、ハッとするほどシンプルだったわけだけど、こういう話だった。 >> 世の中を変えたい、と言うのなら。の続きを読む



(2014年11月26日)

カテゴリ:マーケティング

先週、西島秀俊が結婚を発表して、直後に向井理も続いた。

ネット上には「早退した」とか「部下の女子が全く仕事しません」みたいな話が相次いでて、中には「これで福山雅治が結婚決めたら喪服で会社行く」みたいな書き込み読んでいて、「喪中女子」という言葉が浮かんだ。

まあ、週明けには早々に喪が明けている気もするんだけど、気になったのは、これ、男性側に同じようなことあるんだろうか?、と。

つまり、誰か女性人気タレントが結婚発表して同じような気分になるようなのって、あまりピンと来ない。先の書き込みに、ある30代の男性が「広末涼子が最初の結婚した時、同じような気分になった」と返答していたの見て、ああなるほどと思ったけど、今だったらどうなんだろう。

いわゆる人気上位の、綾瀬はるかや北川景子が結婚発表して、男性が「早退したい」というのを「そうそう」という雰囲気ってあまりないんじゃないか。

これって、別に女性タレントの力がないわけじゃない。むしろ、受け手側の空気の問題だろうな、と。

つまり、西島秀俊が結婚決めて、しかも元OLだったりすると「ちょっと、それだったら」という感覚で盛大に落ち込む女子、というのは社会的に「まあ、仕方ないなあ」と認知されてる。

だから、ウソかホントかわからなくても「早退した」みたいな話も、ある種のリアリティをもって共有されちゃう。男性がそういう態度しても、多分ネタにならない。

それって、「女子の妄想力って面白いよな」と世の中的に合意しちゃってるからなんだろう。 >> 喪中女子と妄想力ビジネス。の続きを読む



GoogleのCMが流れている。androidをテーマにしたもので、笑顔の人々のシーンをつないで、間にキャラクターが入るこのCMだ。(リンク先Youtube以下同)

そういえば、こういう感じのCMって昔からあったし、また増えているような気がする。いわゆる「スライス・オブ・ライフ」の1つだろう。ただし、特定の人の暮らしを切りとるのではなく、短い時間でいろいろな人のカットをつないでいく。

iphoneなども、こうした感じのものが多い。たとえばスポーツにフォーカスしたこちらのCMなども、基本構造は同じだ。

そして、facebook。「友達」をストレートに前面に出したこのCMも結構目立っていた。

こういう企画が通る背景はいろいろあるんだけど、実は結構理屈っぽい作りになっている。android、facebook、iphoneなどが何らかの「課題解決に役立ってますよ」というメッセージなのだ。

なにも、課題解決なんて大袈裟に感じるかもしれないが、その象徴が「笑顔」だと思う。そう考えると、表現のトーンは異なるけれど「私たちのサービスを使えば幸せになれますよ」という点では、根っこは同じ。「こんな時にこれ」という理屈で、積み上げっていったことで、ああいう作りになるわけだ。 >> googleやfacebookのCMに溢れる「笑顔のコラージュ」の続きを読む



ノーベル賞を受賞した中村修二氏が日亜化学との「和解」を求めて、これを日亜化学がやんわりと断った。最近はやや死語になってきている「慇懃無礼」という言葉を説明するのに、あれほどの好例もないだろう。

彼の心境の変化などは、僕等には想像もできない。ただ、それまでは「怒り」を前面に出している人だった。10年以上前の著書にも「怒り」という言葉があるくらいだから、彼の場合はそれが原動力だったのだろう。

ただ、一般的にいって「怒り」という感情は、その人のキャリアにとってプラスになるのか?というと結構難しい。

一定の成果を上げるのだが、どこか過剰になっていく。とあるキャリア論の先生が「ダークサイドに落ちる」と言っていたが、言い得て妙だと痛感した。

最近だと、ゼンショーの小川賢太郎社長がその典型だろうか。元々吉野家出身だが、経営危機の後に袂を分かつように、退社してゼンショーを設立したという。先般、吉野家の安部修二会長と何かのパーティで握手して話をしたということが、新聞ネタになったくらいだから相当根深い感情のしこりがったあったのだろう。 >> 「怒り」とキャリアとダークサイドの微妙な関係。の続きを読む