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先日学生たちと就活のことで話す機会があって、いろいろと質問を受けた。ところが、妙な都市伝説のようなものが結構多い。

「メーカーではスーツの色は黒がいいと聞いてますが」

「銀行員の前で、“公務員受験を考えていた”と言ってはいけないんですよね」

みたいな話だ。銀行員は公務員を嫌っている、という話だが、出所はよくわからない。この手の噂は年々増えている。スーツの色についても不明。

この手の「真実の話」ほど、真実から遠かったりする。大学生が世間を知らないから、というのではない。齢をとっても、妙なものに嵌る人はたくさんいる。

スーツの色で思い出したけれど、新入社員へのアドバイスの記事で「米国大統領」を持ち出していたものがあった。結論として紺かグレーを選ぶべき!という一般的な話なんだけど、そもそも新入社員が大統領の服をまねる必要性がどこにあるのかいな。

それより自分の似合うものを選べばいいと思うんだけど、それじゃ記事にならない。つまり、フツーのことをフツーに伝えても目立たないのでそういう話になるんだろう。

その手の記事づくりが増えるから、ネット上には「○○すべき」話が溢れて、一定の人がそれに煽られるから、真実もどきが増殖する。

そういうわけで、学生や若い人へのアドバイスは単純になる。「真実は」と謳っているものは、とりあえず疑っておけということだ。「真実を探す」とか言う記事を読むと、そもそもの事実誤認だったり曲解だったりする。

「メディアは真実を伝えない」というのは、たしかにそうかもしれない。ただし、その思い込みが強い人は一定数いる。池の魚に餌を撒けばワラワラと寄ってくるように、「マスコミが伝えない」というだけで、寄ってくる人がいるのだから、彼らが満足する情報を書けばそれで成り立つのだ。 >> 学生も大人も感染する「真実もどき」の続きを読む