2013年10月アーカイブ

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学生が新聞などを「読む必要がない」と考える場合の大きな理由は「マスメディアは真実を伝えているのか」という立場からの発想だ。ネットが広がってから、当然この傾向は強い。ただし、ネット言論の発達がマスメディアへのチェック機能を果たせば、長期的には修正されると思っている。
ただ、僕が「新聞を読んだ方がいいよ」とハッキリ言いにくい理由は別にあって、単純に言うとカネの問題なのだ。実家から通っているならともかく、一人暮らしで月に4000円あまりの金額というのは、学生が自分で払うには結構きつい。仕送り額は、ずっと減少傾向にある。
もっとも、この金額を高いと思うか妥当だと思うかは人それぞれだろう。ただ、学生に限らず新聞代というのはいわゆる「家計リストラ」では真っ先に上がるくらいだ。実際に家計簿を管理すれば、まず固定費に手をつけるわけで、実は新聞の購読者減少の大きな理由はここにあるんじゃないかと思っている。
そもそも、新聞や雑誌、書籍はずっと価格が上がり続けている。新聞だと平成元年が3000円くらいだから、かなりの上昇率だ。それなのに「より安い代替手段」が少ない。この時点で、「読むかやめるか」の二択になってしまう。
あらゆる商品でデフレが続いたので「割高感」は、当然強い。

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(2013年10月21日)

カテゴリ:キャリアのことも
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このブログのタイトルに対して「もちろん」という人はどんどん少数派になっていると思う。僕も「読むべき」とは言い切ってない。じゃあネットのニュースで足りるのか、というとどうも足りてないように思える。
もっとも新聞離れというのは今に始まったことではなくて、いまの50代の行為者率も5割を切っている。(こちらのページが参考になる)「新聞がなくても事足りる」というのは、僕の同年代にも結構いた。ただしテレビ欄がないのが不便なので、その代わり職場で生保が配っていた「ザ・テレビジョン」を重宝していたりしたのだ。
いまやネットが中心になってこの傾向はますます加速してる。
それによって、情報がどんどん偏っているんじゃないか?というのは他の先生とも近年のテーマになっている。就活が始まった頃に、この情報バランスの悪さが「世間知らず」な空気感に直結するのである。これだけで就活が不利になるのは、何とももったいない。
で、今年の前期の講義でこんなテーマのレポートを課した。
「ネットのニュースだけでいいのか」「新聞・雑誌などを読んだ方がいいか」というテーマで、どちらか自分の考えに近い方を選んで立論をさせたのだ。
結論から言うと、8割が後者を選ぶ。大学生も、「ネットだけではやばいだろう」とは感じているのだ。
そのもっとも大きな理由は、「好きな情報ばかりに接するから」というのが、もっとも多い。これは、僕たちの問題意識と同じだ。最近では永江一石さんが、こちらのブログにも書いている。つまり「情報偏食」とでもいうべき問題だと思っていて、的確な指摘だと思う。
偏食が体に良くないことはわかっている。ただし、偏食にはある程度の心地よさがある。また、学生に影響力のある若い経営者などが「新聞(マスメディア)不要論」を唱えると、「そっかネットだけでいいんだ」と思ったりする学生もたまにいるようだ。

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久しぶりに書店に行った。というくらい、ネットで本を買うことが当たり前になっていたのだが、やはり大型書店に行きたくなったのだ。
きっかけは長野の小布施に行ったこと。葛飾北斎がこの町を訪れたのが80歳を超えてからという話を知って、半信半疑のまま北斎について調べたくなったからだ。
本と言っても、図版を伴うものも多いだろうから、ということで新宿の書店へ行った。
で、結論から言うと何も買わなかった。
美術書のコーナーへ行ったのだが、事前にamazonで調べたよりも点数がないし、本当に探しにくい。理由は簡単で、出版社の全集やシリーズごとに並べられているから「北斎」と言っても、あちこちに飛ぶ。まして新書や文庫となるとフロアすら違う。
で、やっと書店に来なかった理由を思い出した。そう、この苛立ちがストレスになるのだ。
書店の棚割りは、「内容別」ではなく、「形態別」なので、こうなると、もうどうしようもない。
結局、図書館で調べてamazonで購入するということになった。
改めて思ったのだが、リアル書店というのはどんな意味があるのだろう。
この書店も、売りたい本は、いわゆる「多面展開」をしていて、これでもかとばかり場所を占めている。こうして、リアル書店では、売れそうな本ばかりが目立つのでライトユーザはそれでいいかもしれない。ただし、そうすればするほど、総点数は減るわけで、本好きには物足りない。結局ネットで買うと思う。

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一昨日の夜、つまり台風がやってくる前夜の15日、講演をした。
インディペンデント・コントラクター協会(IC協会)という団体の主催のもので、つまり独立している人々を対象にしている。会員はいわゆる個人のフリーランスでインナーのセミナーだが、この夜は会員でない方も参加できるものだった。
ちなみにテーマは、「企業のブランディング・ICのマーケティング」だった。
内容はおいおい書こうかとも思うのだけど、この日は夕方定時の帰宅指示という会社も多く、電車は混雑し、道路も下りは渋滞。そんな中での講演だったが、ほぼ予定通りに20名ほどの方々が定刻にいらっしゃった。
20時頃まで講演をおこない、そのまま懇親会。ここにもかなりの方が来て22時くらいにお開きとなった。
懇親会の席で、まだ会員になっていない(会には関心のある)会社員の方がふと言われた。
「さすがに、皆さん台風でもいらっしゃるんですね」
実は、僕もこの夜はかなり欠席があるかと思っていた。ただ、みんな来るのだ。当たり前のように。
その時話したのだけど、独立しているフリーランスにはきわめてシンプルな原則があって、
それは「自分で決めたことは、自分の責任で、予定通りおこなう」ということなのだ。
この日の夜は大雨が予想されていたが、本当にひどいのは16日の朝になりそうなので、交通機関の乱れは回避できそう、というのが大方の判断だった。(実際そうだった)
「会社員だから台風でも休めない」という人もいたようだし、そのあたりいろんな会社があったようだけれど、フリーランスにはまた違った掟がある。
とにかく「他人のせいにはしない」。そして、この”他人”には、景気の良し悪しやら政策変更などの外部環境も含まれる。お天気も、そうだ。
すべての優先順位を自分で決めて、動く。
フリーの方が大変だとか、会社員の方が厳しいとか、そういう話ではないし、そもそもそんな比較はできない。
ただし、「フリーランスの掟」をあらためて感じた夜だったのである。



いま、新聞が面白い。と書くと「本当か」と言われそうだが、部分的にすごく気になるコーナーがある。たとえば読売の「人生案内」だ。
以前はネットでも読めたと思うのだけど、最近は「プレミアム会員」ではないと読めないらしい。ただし、リードだけは読める。で、続きがすごく気になるのである。
こちらに並ぶ見出しが、何とも味わい深い。
「勝手に我が家に入る80代姉」これは70代後半の女性から。
「20年前、夫が初恋の人と旅行」これは80代の女性より。
「亡き妻の友人に会いを感じる」そしてこちらは80代の男性。
そうなのだ。全体的にかなり高齢化している上に、男女のもつれが相当に目立つのである。
中には「農村の婦人会、抜けたい」とか「妻からゴミ扱い、蒸発したい」など、それはそれで気になるものもあるが、何といっても色恋沙汰のパワーは一頭地を抜ける。
ビバ恋愛、フォルツァ・シニア。
だから、ちゃんと「男と女」というコーナーもある。

>> 読売「人生案内」というワンダーランド。の続きを読む